2014-11-28
譲渡税 | 親子 | 3 | 000万円控除 | 適用 | 特殊関係者
★親子間売買の問題点
次のような相談事例について検討してみましょう。
「私はこのたび会社を定年で退職したので、現在住んでいる自宅を売却して、郷里の北海道で引退後の生活を送ろうと思っています。ついては、息子が東京で働いているので、自宅を息子に売却するつもりです。
もともとこの自宅は、25年ほど前に1,500万円で購入した建売住宅ですが、不動産屋に確認したところ、現在の相場は4,000万円ぐらいだそうです。でも、売却相手が息子なので、相場より安くして2,500万円程度で売却したいと思っています。
自宅の売却については、利益から3,000万円を控除できると聞いているので、譲渡税はかからないと思うのですが、どうでしょうか?」
この相談には、2つの問題があります。1つは、直系血族など特殊関係者に譲渡した場合は、居住用の特例は適用されないということです。もう一つは、時価よりも著しく低い価格で売却した場合は、時価との差額を贈与とみなして贈与税が課税されるということです。
したがって、この相談のケースでは、売却した父親には、息子への売却額2,500万円から取得費、譲渡費用の必要経費を差し引いた後の利益に対して譲渡税が課税され、購入した息子には、時価4,000万円と購入金額2,500万円との差額1,500万円に対して贈与税が課税されることになります。
★住居用の特例が適用されない特殊関係者
自宅を譲渡した相手が、次に説明する「特殊関係者」の場合には、居住用の特例は適用されないことになってります。
【住居用の3,000万円控除の特例が適用されない特殊関係者】
① 配偶者及び直系血族
② 次に掲げる①以外の親族(民法で定める親族をいう)
【1】 生計を一にしている親族
【2】 売却後にその所有者とその家屋に同居する親族
③ 内縁関係者
④ その所有者の使用人等
⑤ 所有者やその特殊関係者が支配する会社など
なお、娘婿に売却したいという相談も多いのですが、娘婿に売却する場合は、上記②に該当していなければ、3,000万円控除は適用できます。
★3,000万円控除は3年に1回しか受けられない
「3,000万円控除の特例」は、前年または、前々年において、「3,000万円控除の特例」または、「居住用財産の買換え特例」の適用を受けている人には、適用がありません。
つまり、一度、居住用の特例を受けた場合には、適用を受けた年を含めて3年間は、居住用の特例の適用がありませんので、再び受けられるのは4年目以降ということになります。