店舗併用住宅を売却した場合の3,000万円控除

 2014-12-06   店舗 | 住宅 | 貸家 | 3000万円控除 | 売却
★店舗兼住宅の売却でも3,000万円控除は受けられるか?
 何度も言うように、3,000万円控除はマイホームについての特例です。したがって、店舗兼住宅のように自宅と店舗等(賃貸を含む)を併用している場合には、自宅(居住用)部分だけが3,000万円控除の対象となります。
 つまり、店舗兼住宅のような建物(その敷地も含む)を売却した場合には、その売却代金を「居住用部分」と「事業用部分」とに、使用面積により按分して、居住用部分の売却代金と事業用部分の売却代金とに区別しなければなりません。
 たとえば、店舗と居住用財産の譲渡に係るものとして、「3,000万円控除の特例」の適用対象となります。
 たとえば、店舗と住居とが半々の割合で利用されていたような場合には、売却代金の半額が居住用財産の譲渡に係るものとして、「3,000万円控除の特例」の適用対象となります。
 それでは、下記事例のように、店舗(貸家)併用住宅を親子3人で、土地と建物について異なる共有持分で所有していた場合の譲渡税について計算してみましょう。
【事例】
建物の2階部分は貸家として利用し、1階部分は親子3人の居住用として利用(全体の利用割合のうち居住用部分は60%、貸家部分40%)。売却益(譲渡所得)は7,000万円で、うち建物の売却益が1,000万円、土地の売却益が6,000万円です。
【前提条件】
・建物の権利は妻と夫は半分ずつ
・敷地の権利は夫と子供で半分ずつ

 なお、親子3人ともこの家屋に居住しており、生計を一にしています。
(土地・建物ともに所有期間10年を超えています。)

【計算結果】
<夫の譲渡税>
・居住用部分
①	建物部分:1,000万円×60%(居住割合)×1/2(持分)=300万円
②	土地部分:6,000万円×60%(居住割合)×1/2(持分)=1,800万円
③	①+②=2,100万円<3,000万円 ∴課税所得 0
・事業用部分
①	建物部分:1,000万円×40%(居住以外の割合)×1/2(持分)=200万円
②	土地部分:6,000万円×40%(居住以外の割合)×1/2(持分)=1,200万円
③	①+②=1,400万円
④	譲渡税:1,400万円×20%=280万円
<妻の譲渡税>
・居住用部分:1,000万円×60%(居住割合)×1/2(持分)=300万円<3,000万円 ∴課税所得 0
・事業用部分
①	1,000万円×40%(居住以外の割合)×1/2(持分)=200万円
②	譲渡税:200万円×20%=40万円
<子の譲渡税>
・居住用部分:6,000万円×60%(居住割合)×1/2(持分)=1,800万円
①	父親の3,000万円控除不足額:3,000万円-2,100万円=900万円
②	母親の3,000万円控除不足額:3,000万円-300万円=2,700万円
③	①+②=3,600万円>3,000万円 ∴3,000万円を限度に特別控除可能
④	3,000万円控除前の譲渡所得:1,800万円<3,000万円 ∴課税所得 0
・事業用部分
①	6,000万円×40%(居住以外の割合)×1/2(持分)=1,200万円
②	譲渡税:1,200万円×20%=240万円
※事業用部分については「事業用資産の買換え特例」の適用を受けることが出来ます。

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