一部交換、一部売買の場合の取り扱い

★等価交換部分以外を売却すると
 交換特例は、交換譲渡資産と交換取得資産の価額の差額が、そのいずれか高い方の価額の20%以内でなければ適用されないので、土地の一部を交換とし、残りを売買とすることで、交換特例を適用できないかと考える人がいます。その場合の取り扱いはどうなるのでしょうか?
【事例】
甲さんの持つA土地
・A土地全体は1億円(以下内訳)
・A-1(A土地の一部)は時価3,000万円
・A-2(A土地の一部)は時価7,000万円
乙さんの持つ土地Bは時価7,000万円
上記A-1は売却し、A-2とB土地を等価交換します。

 この事例では、甲さんが所有するA土地の時価が1億円で、乙さんが所有するB土地の時価は7,000万円です。このように、時価に差のある土地を交換する場合は、次の2つの方法があります。

①	甲さんがどうしても乙さんの所有するB土地がほしい場合には、時価の差には目をつぶり、B土地の価値を高く評価して、等価交換等を行う。
②	甲さんと乙さんは、時価の差をお互いに認識し、時価の差額を交換差金として金銭で生産する

「①」の方法の場合は、交換特例を適用できますが、②の方法の場合は、時価の差が20%を超えると、交換特例は適用できないことになります。
 そこで、時価の差額部分に相当する部分の土地(A-1)を切り離して、この「A-1」部分は3,000万円で売却し、「A-2」部分とB土地とを差金なしの等価交換とすれば、交換特例が適用できるのではないかと考える訳です。

★売買部分も交換に含まれる
 交換差額割合を減らして、交換特例を適用する為に、一の固定資産を分割して、その一部については交換とし、他の部分については売買としているときは、これらの取引を一体の行為とみて、その売買とした部分を含めた全体における交換差金として、交換差額割合が判定される事になっています。

 冒頭の事例で、分割した「A-1」の土地は丙さんに売却し、「A-2」の土地とB土地とを交換したといった場合は、これらの取引は一体の取引ではないので、「A-2」土地とB土地との交換については、交換特例が適用できます。
 ただし、交換特例を適用する為に特殊関係者等に偽装工作を頼んで、「A-1」土地を購入してもらった形態にするなどの場合は当然、一帯の取引の仮装ですから、交換特例が適用できないだけでなく、重加算税の対象となると考えなければならないでしょう。

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