月極め駐車場として貸していて土地も買換え特例の対象?

★事業の用に供していた資産に該当しないものとは?
 不動産賃貸の場合に、事業用の買換え特例が対象となる「事業に準ずるもの」とは、「事業と称するに至らない不動産の貸付で、相当の対価を得て継続的に貸付けられている場合をいう」とされております。
 事例で言うと、月極め駐車場として賃貸していた不動産を売却した場合に、事業用の買換え特例の適用ができるかどうかの判断は、その駐車場賃貸が「相当の対価を得て継続的に貸付けられている場合」に該当するかどうかという事になるでしょう。
 租税特別措置法通達37-21の注意書きでは、以下のような資産は、事業の用に供していた資産に該当しないとされています。

①、事業の買換え特例の適用を受ける為のみの目的で、一時的に事業の用に供したと認められる資産
②、たまたま運動場、物品置場、駐車場等として利用し、または、これらの用のために、一時的に貸し付けていた空閑地

★とりあえず青空駐車場にしてみた場合は?
 以下の相談のケースでは、どのように取り扱われてしまうのでしょうか?
 「いままで賃貸していた貸家が老朽化したので、1年ほど前に取り壊して更地にしました。空き地にしていては勿体ないので、取りあえず、青空駐車場として貸し付けをしています。このたび、この駐車場を売却したのですが、事業用の買換え特例は適用できるのでしょうか?」

 この事例では、「特例適用を受ける為のみの目的で駐車場にしたのではないか?」または、「たまたま一時的に貸付けられていたのではないか?」という疑いが生じてしまうので、課税当局と事実認定の問題が生じると考えられます。
 駐車場として賃貸していた土地の売却が、事業用の買換え特例の対象となるかどうかは、収益の状況、過去の利用状況、土地の立地状況、設備の程度等から判断して、「相当の対価を得て相当期間、継続していたものである」と認められるかどうかという事になります。
 なお、コンクリートやアスファルト敷きの駐車場施設で、少なくとも当初から相当期間継続して貸し付けを行う予定であり、現に相当期間賃貸していたという事になるだろうと思われます。

★駐車場は買換え特例の対象となる買換資産となりえるか?
では、買替資産として購入した土地を駐車場として賃貸した場合、この土地は、事業用の買換え特例の対象となる買換資産として成り立つでしょうか?
 事業用の買換え特例の適用を受ける為には、その買換資産をその収得の日から1年以内に、事業の用に供しなければなりませんが、月極め駐車場としての賃貸が事業の用に供したかどうかと言う問題があります。
 租税特別措置法通達37-21の(2)においては、事業の用に供する意義として【空閑地(運動場、物品置場、駐車場等として利用している土地であっても、特別御施設を設けていないものを含む)である土地、空き家である建物等は、事業の用に供したものに該当しない。ただし、特別の施設は設けていないが、物品置場、駐車場等として常時使用している程度のものは、この限りではない】としています。
 売却した月ぎめ駐車場が事業の用に供していたのかどうかも、この規定に準じて判断されることになっています。ですので、買替物件を月ぎめ駐車場として使用した場合に、事業の用に供したかどうかは、単に空き地の利用ではなく、駐車場としての整備、例えば看板を設け、土地の形状を整えて、それなりにきちんとした資本投下を行い、相当な利益が継続して確保できると見込まれるような場合は、買替資産を事業の用に供したという事になるだろうと考えられます。

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