2016-04-18
内覧 | 質問 | 販売理由 | 回答 | 中古物件
中古の戸建て住宅や、マンションなどの販売を始めていくと、よく買主候補の方からくる質問の中で、多いのが、「なぜ、売ろうと思ったのか?」といった話です。
不動産販売期間になると、内覧を希望してくる買主が何人か現れます。
内覧の日程が決まると、売主は一生懸命、掃除をしたり、大きな荷物を整理したり、買主がやってきたときに、すこしでも、見た目を良く見せる為の努力をします。
人によっては、ハウスクリーニングなどの業者を呼んで、清掃してもらったり、余計な荷物を見せたくないと言う理由で、一時的に、田舎の実家であったり、トランクルームなどに荷物を預けると言った人もいます。これらの対応は、もちろん、いずれも内覧前の大事な準備といえますし、するべき事項です。
ですが、意外と、忘れがちなのが、買主からの質問に対する対策です。
住み慣れた住居なので、住居に関する質問であれば、だれよりも詳しく説明することが出来ると、思っているでしょう。もちろん、そうだと思います。部屋の状態の説明や、物件の状況に関してはそれで、問題ないと思いますが、一番、多く質問されて、意外と、この質問に良い回答が出来ず、成約を逃しているケースがあります。
冒頭でも述べていますように、「売却理由」です。
「なぜ、このマンションを手放そうと思われたのですか?」
「どうして、この戸建て住宅を販売しようと思われたのですか?」
買主からすれば、購入したい。興味があると言った理由で、その物件の内覧などに足を運んできたわけですから、興味がある物件を手放そうとしている理由を知りたいのは、当たり前です。
ただ、残念なことに、統計的に、不動産を売却したいといったニーズのバックグラウンドにあるのは、余り前向きな理由を伺いません。
持っているだけでは、固定資産税がかかりますし、新しい物件に住み替えたいといった理由も一見、きれいな理由に見えますが、買主からすれば、自分が欲しい物件以上に魅力のある物件があるといった意味に聞こえなくもないですし、また、買主には関係ないだろうと思われるような、離婚をするので、必要がなくなったので、手放したいと考えた。と言った理由も、大きな買い物をする買主からすれば、縁起が悪いと考えてしまいます。
逆に、理由を付けるのも面倒だと考えて、理由が無いと言うのも、不安になります。
理由が無いのに、高額な不動産を手放すと言った事が考えられるのか?建築に不備があるのではないか?周辺住民とトラブルがあるのではないか?日によっては騒音トラブルがあるのではないか?と勘ぐってしまいます。
そもそも、理由が無く販売するという事は考えにくく、上述の理由もあるので、何等かの販売する前向きな理由を作る必要があります。
住み替えで、新しい物件の購入頭金の為に、販売するのであれば、子供が独立したために、勿体ない間取りが増えてしまったので、住み替えたいと伝えるだけで、大分イメージが変わってきます。
買主の購入する理由と、売主が売りたい理由は、全く逆にあると思ってください。また、買主は販売理由に対して、かなり敏感になっていると考えてください。
間取りが狭い。階段が小さい、お風呂が狭いなど、後ろ向きな、理由も、ライフスタイルが変わったからという理由にすると、かなり前向きに聞こえます。
買主は夢を持って、購入しようとしているので、そういった夢を壊すような事を伝えてしまっては、売買成約するものも、なかなか、売れません。そういった販売理由も大きく営業的な部分を左右するので、販売理由の表現には気を付けましょう。