売却の際も固定資産税は考えておこう

 不動産を売買する場合に考慮しなければいけないのは、固定資産税の支払い義務のことです。税金の支払い義務を売主と買主の間で負担する場合には、不動産の譲渡対価の中にこの負担金が含まれて、売買される価格が決定します。


不動産を売却するときに考慮すべき固定資産税
1,納税義務などについて
2,売却する時期などについて
3,所得との関係などについて
4,具体的な取り決めについて


1,納税義務などについて
 土地や建物を売却するために、専門の業者に不動産査定をしてもらう場合には税金の支払いのことも考慮に入れる必要があります。不動産の売買を行う場合に、特に気をつけなければいけないのは固定資産税のことです。不動産査定は不動産の価値によって売却される価格が決定されるのが原則的な考え方ですが、それ以外の要素によっても左右されることがあるからです。その典型的なものが固定資産税の支払い義務です。不動産を所有している人は、固定資産税を支払う義務がありますが、不動産の売買があった場合には必然的にも、不動産の所有者も変更が生じます。
 固定資産税は原則的に毎年一月一日に特定の不動産を所有していた人間に課せられる税金です。したがって不動産を売却してもその年の間は税金を支払う義務があります。ここに固定資産税査定ポイントがあります。


2,売却する時期などについて
 固定資産税査定ポイントとなるのは、どのような時期に不動産の売却を行われるかということであり、固定資産税査定時期が重要になります。
 この固定資産税査定時期によって、不動産の売却額に多少の差がでる場合があります。例えば三月に不動産を売却する場合と、十二月に不動産を売却する場合では、売却額に差がでるケースなどです。
 これは原則的に不動産を所有している人間が、税金を負担するという考えが普及しているからです。ですから一年の途中で不動産の売買が行われた場合には、原則的にそれぞれが所有している期間に応じて税金を負担するというのが一般的な考えになっています。ですが法律的にはこの税金を支払うのは一月一日に所有していた人間ですから、新しい所有者には法律上は税金の支払い義務はないことになります。こうしたことが、売却額に大きく影響を与えています。


3,所得との関係などについて
 不動産売買固定資産税は、不動産の売買金額の中に含まれているのが一般的です。例えば購入者が七月から不動産の所有者になる場合には、半年分の不動産売買固定資産税を買主が負担するのが通常のケースであり、その分売買代金に上乗せされます。
 上記の計算は一月一日を基準として計算を行なったものであり、査定する不動産会社によっては四月一日を基準にして計算を行う場合もあります。基準とする日が異なることによって、不動産の売買価格もその分だけ変動します。
 不動産を売却した人間はその対価は所得税の課税対象になりますが、売買によって取得した不動産所得固定資産税も課税の対象になります。不動産所得固定資産税は個人間で私的に取り決めて支払われた金額であるために、実際の税金ではないからです。ですから不動産の譲渡対価の一部として課税の対象となります。


4,具体的な取り決めについて
 このように個人間で取扱われる税金の負担額は、不動産の売買価格に大きな影響を与えます。具体的な例を挙げて説明すると、一年間の固定資産税が十二万円の不動産を売却する場合には、売却時期によって買主の負担額も異なります。
 二月末日に不動産の売買が行われて、三月から新しい買主が不動産の新しい所有者になる場合で、一月一日を基準とする場合には、十二分の十にあたる十万円を新しい所有者が負担するのが通常のケースです。ですからこの十万円が不動産それ自体の対価とは別に、譲渡対価に含まれることになります。
 これはあくまで私的な取引きですので、相互の取り決めによってこうした原則的な計算とは異なる方法で税金の負担額を決めることも可能です。買主が売却年の税金を全て負担する取り決めをした場合には、不動産の売却額にはこの税金の負担分は含まれないことになります。

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