2018-09-10
値引き | 不動産 | 住宅ローン | 交渉 | 不動産価格
サラリーマンが年収の10倍を超える分譲マンション購入には多額の住宅ローン借入が必要となっています。
そこで、売れ行き不振があると少しでも早く売れ残りを減らそうとする不動産販売会社の販売姿勢を見て値引き交渉により安く購入して家計負担を軽減しようとしています。
もくじ
1.大都市圏と地方で二極化が益々広がる不動産価格
2.職場環境の不透明な中年族が多額の住宅ローンに立ち向かう事情
3.ローン借入を減らしたい顧客と売れ残りを減らしたい販売会社
4.値引き交渉で少しでも安く購入できれば一息つける背伸びした家計
1.大都市圏と地方で二極化が益々広がる不動産価格
近年、人口減少する社会で地方の過疎化が進んでおり、限界集落が各地に広がっています。人口減少する地域では不動産への需要が減るので、限界集落のようになると不動産を売却しようとしても売値を一気に下げないと買い手が出てきません。
逆に、首都圏で誰もが欲しがる不動産であれば目の飛び出るほどの売値が提示されるわけです。このように不動産価格はその需要次第で二極化する傾向が続いています。値上がりする地域はほぼ三大都市圏に限られており、中でも、首都圏の人気スポットで価格上昇が目立っています。
首都圏で最近売り出されている分譲マンションの平均価格が7千万円を超えているとの報道も出ています。しかも、住宅着工件数が近年まで年間100万戸近い数字で推移してきましたが、今後、急激に住宅需要が減少していくと見込まれているにも拘わらず、首都圏でこのように分譲価格の上昇が続いているわけです。
2.職場環境の不透明な中年族が多額の住宅ローンに立ち向かう事情
最近、建設される分譲マンションはタワーマンション化が増え、耐震化や省エネ化した上で住宅メーカー大手各社が高級ブランド化を図っているため販売価格上昇につながっています。
しかしながら、さすがにこれほどの物件価格になると売れ行きが思わしくなくなっているようです。平均的なサラリーマン年収の10倍を超える物件を購入する人は多額の住宅ローン借入に頼らざるを得ないからでしょう。
3、40代のサラリーマンが1、2千万円程度の頭金をベースにして7千万円の分譲マンションを購入するため住宅ローン借入をしたケースの返済シミュレーションをすればその状況が分かります。
しかも、ローン借入額が増えれば毎月のローン返済額を家計ギリギリまで増やし、また、返済期間も最長期間に設定しないと現役時代に返済しきれない人が多いはずです。
更に、職場ではサラリーマンの終身雇用制が霧散し、340年先まで安定した収入を得られる見通しが不透明な職場環境が立ちはだかっているわけです。
3.ローン借入を減らしたい顧客と売れ残りを減らしたい販売会社
これでは、たとえ潤沢な住宅ローン融資用原資を抱えている金融機関が昨今の超低金利な融資条件を提示してもすぐに乗り気になれるわけがありません。
そこで、分譲マンションの購入を思い立った人はディベロッパーとの値引き交渉をしなければならないようです。但し、顧客とこうした値引きに関する交渉が行われていることは余り、表面化することがありません。
しかしながら、ディベロッパーは顧客のこうした事情を既に察知していて、あらかじめ、販売価格に値引き分を上乗せしているといわれています。もちろん、新築マンションの完成前から値引き広告を打ち出すディベロッパーはいないはずですが、販売開始後の売れ行き次第で値引き交渉に応じる姿勢を見せるディベロッパーが増えるようです。
中でも、売り出し後、売れ残り戸数が23戸になり、なかなか買い手が決まらなくなると値引き交渉が進めやすくなりそうです。
4.値引き交渉で少しでも安く購入できれば一息つける背伸びした家計
但し、顧客としては売れ残った住戸に日照や風通し等の生活環境で何らかの住みづらさ等がないことを見極めて値引き交渉しないと住んでから後悔することになります。
新築後のマンションを売り出すディベロッパーも先行き、住宅需要の減少していく見通しを熟知しているので、売れ残りを早くなくしたいはずです。新築マンションの近辺に他のディベロッパーがマンションを新築して同時期に販売で競合するようになれば顧客としても値引き交渉の余地が増えるというものです。平均で7千万円もするマンションを購入して便利で快適な生活が始まるとはいえ、住宅ローン借入に背伸びしていれば長い返済期間中、家計負担の少しでも身軽である方が良いに決まっています。
従って、金融機関のローン仮審査前に真摯な態度で交渉に臨み、23百万円でも安く購入できると分かればローン返済が楽になり、家計で息をつけることもあるはずです。もちろん、顧客は値引きしてくれれば購入することを真面目に訴えることが必要です。