仲介手数料を値切るはあり?

 賃貸マンションを探したり、不動産の売るために買主を探してもらうためには、不動産会社と媒介契約を締結するのが出発点になります。不動産会社はレインズと言った不動産専門の登録機関に物件情報を登録したり、ホームページや新聞の折込広告などの宣伝方法を駆使して、購入希望者や入居希望者を探してもらうことになります。
 晴れて買主や借主等が現れて契約成立の運びになると、不動産会社には報酬として不動産仲介手数料を支払うわけですが、割高に感じる場合も少なくありません。


もくじ
1.不動産仲介手数料ってそもそも幾ら?料率は?
2.仲介手数料は値切ることができる
3.高額で人気の物件なら値切っても良い
4.一般的には値切らない方が売却がスムーズに進む


1.不動産仲介手数料ってそもそも幾ら?料率は?
 不動産仲介手数料は不動産会社が媒介契約に基づいて買主や売主などを見つけて、契約が成立したとき不動産会社に支払われる成功報酬のことを意味しています。業法で料率には上限が設定されているので、不動産会社が請求できる額には制限がかかっています。自由に設定できるとなると、買主や売主として媒介契約を締結することになる消費者が食い物にされる恐れがあるためです。ただ不動産会社は主に売買と賃貸の仲介をなりわいにしているので、契約に応じて料率を検討する必要があります。
 具体的にいうと、賃貸借契約の場合借主と貸主が0.5月分ずつで、上限が1月分の家賃相当額になっています。売買の場合は価格により料率により違いがありますが、(売買価格×3%+6万円)で計算されることになるのです。"


2.仲介手数料は値切ることができる
 賃貸借契約における家賃1月分、売買契約における(売買価格×3%+6万円)と言う価格はあくまで上限額を意味しています。これ以上の不動産仲介手数料を請求することはできませんが、その範囲内の金額であれば下げることは一向に問題がありません。
 交渉次第では値切ることも可能です。この点は不動産会社の多くがこれまで上限ぎりぎりで請求するのが一般だったので値切るのは無理と考えている人もいるでしょう。
 しかしそれは誤解と言えます。不動産会社は契約が成立しないと不動産仲介手数料が発生しません。同じ賃貸物件であれば、複数の不動産会社が取り扱っている可能性があります。そこで他の会社で契約されるくらいなら、多少手数料を値切られても契約締結するほうがマシなので、値切りにも応じる可能性が高いといえる訳です。


3.高額で人気の物件なら値切っても良い
 不動産仲介手数料を値切ることは可能だとしても、常に不動産会社の担当者がダンピングに応じるとは限りません。ここで売却予定の不動産を保有している状況を想定してみます。値切るのが難しいのは対象物件が人気がなく、しかも売り出し希望額が低いので不動産仲介手数料もあまり見込めない場合です。このような物件は不動産会社にとっても利ざやが少ないので、値引きに応じてまで媒介契約を締結するインセンティブは働かないからです。
 逆に売却予定物件が人気が高く、売買価格も高額になることが想定される場合なら値切る戦略をとるのもありと言えます。これなら不動産仲介手数料も高額になることが予想され、多少値切りに応じても利益は確保できるからです。


4.一般的には値切らない方が売却がスムーズに進む
 とはいえ、実際の不動産取引の場面では値切らない方がベターな選択と言えます。それというのも媒介契約に基づく不動産会社の仕事は広告宣伝活動だけでなく、市場価格の調査や物件周辺の情報や、その物件自体の状態や来歴など多岐にわたる調査事項があるので、相応の報酬を得ることが出来なければ意欲的に活動してもらうことも難しいからです。
 これは売り買いなどの売買当事者の立場から考えてみることも重要で、仮にダンピングに成功したとしても調査や宣伝のための十分な費用を確保できなければ優良な買主などが現れることを期待出来ない可能性があります。むしろ多少はお金がかかっても、しっかりと買主などと交渉して所望の条件で契約が成立にいたる方がメリットは大きいと言えるでしょう。

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