不動産の売却を検討していると、売れるかどうかにどうしても頭が行ってしまい、売却後の税金に関して、おろそかにしてしまいがちですが、売却で得られる金額は、人生最大級の金額です。お金が入れば、税金を支払う義務が生じます。 不動産売却において売却後の税金対策という事で大きく2点あります。それが買替特例と3000万円特別控除です。どちらも活用次第で便利であることはいえるでしょう。 ただ、メリットばかりではなくデメリットもないわけではありません。ですので、こうした制度を利用するときにはメリット・デメリットを比較しながら自分に合っているものを利用する必要があります。 もくじ 1.買替特例って何? 2.3000万円特別控除って何? 3.どちらもメリットとデメリットがある 4.譲渡所得が3000万円を超えるかどうかが重要 1.買替特例って何? 買替特例とは何かについてですが、まずこの特例は正式名称を「特定居住用財産の買換え特例」と呼びます。簡単に説明をすると、自宅を買い換えたときに旧居の譲渡所得税をその年に課税しないことによって旧居の売却代金を全額を新居の購入費用に充てられるようにできる制度のことを指します。 この特例のメリットとしては、買い換えた新居を売却する時まで譲渡所得税の課税を先送りすることができるという点です。ですのである程度税金の支払いに余裕ができます。 注意点としては買替特例を使うと、将来の税負担が重くなってしまうということが挙げられます。利用の際には、将来のためには貯金が必要となることを充分に理解しておくようにしましょう。 2.3000万円特別控除って何? もう一つの3000万円特別控除とは何かというと、通常不動産を売却して得た売却益には所得税や住民税などといった譲渡所得税がかかります。しかし、この特別控除制度を利用すれば譲渡所得税が軽減され、利益の最大化が図れるというわけです。特別控除の金額が3000万円となっているためかなりお金を浮かせることができます。 こちらも注意点があり、こちらは使用できるのは住宅用のみに限られますので理解しておくようにしましょう。事業用物件には3000万円の特別控除を利用することはできません。 ただ、比較的マイホームの購入において誰でも利用しやすいことからできれば自分の家の購入などを考えるときには利用しておいたほうがお得な制度です。 3.どちらもメリットとデメリットがある 買替特例と3000万円特別控除を比較すると、どちらもメリットとデメリットがあることが分かります。買替特例では譲渡所得の繰延べによる課税の先送りができる反面、将来の税負担が重くなったり購入したマイホームを短期間で売却してしまうと損する結果につながってしまいます。 買替特例の要件としては所有期間と居住期間ともに10年超、さらに売却価額が1億円以下という要件が付きますので注意しておきましょう。 もう一方の3000万円特別控除だと控除額が大きいことや、適用要件がシンプルである点はメリットではありますが譲渡所得が3,000万円を上回ると税金が発生してしまう点では場合によってはデメリットにつながってしまうこともあります。 4.譲渡所得が3000万円を超えるかどうかが重要 どちらがより優れているかですが、一つの基準としては譲渡所得が3000万円を超えているかどうかという点が重要となります。もしも譲渡所得が3000万円を超えていなければ、3000万円の特別控除を使ったほうがメリットが大きいです。3000万円を超えていれば、買替特例を利用すると譲渡所得税をそのときには発生させなくすることができますのでこちらのほうがお得といえるでしょう。 長い目で見たときにどちらが有利か、慎重に判断する必要がありますので覚えておくようにします。また、2つの制度の比較については不動産の専門家に聞いておく事でしっかりと理解しやすいように説明してくれるため、困ったときには活用して解決しておくようにします。