交換差金がある場合は注意が必要

「交換特例」は、交換譲渡資産と交換取得資産の価値(時価)の差額が、そのいずれか高いほうの価格の20%以内でなければ、適用されないことになっています。また、交換差金の授受がなければ、譲渡税は発生しませんが、交換差金の授受があった場合の譲渡税の計算は次の算式によります。
【交換差金の授受があった場合の交換特例適用による譲渡税の計算】
A	譲渡収入:受け取った交換差金の金額
B	必要経費
【ア】	交換譲渡資産の取得費
【イ】	譲渡費用
【ウ】	(【ア】+【イ】)×交換差金の金額/(交換取得資産の時価+交換差金の金額)
C	長期(または短期)譲渡所得:A-B
D	譲渡税(所得税および住民税):C×20%(短期譲渡の場合は39%)
※交換特例を適用する場合、譲渡税が発生するのは交換差金を受け取った側だけであり、交換差金を支払った側は、交換特例を適用すれば譲渡税は発生しません。

それでは、事例を元に、譲渡所得がどのようになるか計算してみましょう。なお、計算の便宜上、A土地もB土地も購入時価は不明(時価の5%を取得費とします)とし、譲渡費用はないものとします。

【パターン1】(交換特例が適用される場合)
・甲さんはA土地を時価1億円で所有しています。
・乙さんはB土地を時価9,000万円で所有しています。
・甲さんと乙さんは土地を交換するに際し、B土地の交換差金1,000万円をAさんにお支払いします。

交換差金1,000万円≦「1億円(A土地)×0.2=2,000万円」
∴交換特例の適用あり
<甲さんの譲渡税の計算>(交換特例の適用有り)
A	譲渡収入:1,000万円
B	必要経費:
【ア】	取得費:1億円×5%=500万円
【イ】	譲渡費用 0
【ウ】	500万円×1,000万円/(9,000万円+1,000万円)=50万円
C	譲渡所得:A-B=950万円
<乙さんの譲渡税の計算>
交換特例を適用する場合は、交換差金を支払った側なので譲渡税無し

【パターン2】(交換特例が適用できない場合)
・甲さんはA土地を時価1億円で所有しています。
・乙さんはB土地を時価7,000万円で所有しています。
・甲さんと乙さんは土地を交換するに際し、B土地の交換差金3,000万円をAさんにお支払いします。

交換差金3,000万円>「1億円(A土地)×0.2=2,000万円」
∴交換特例の適用無し
<甲さんの譲渡税の計算>
A	譲渡収入:7,000万円+3,000万円=1億円
B	必要経費:
【ア】	取得費:1億円×5%=500万円
【イ】	譲渡費用:0
【ウ】	【ア】+【イ】=500万円
C	譲渡所得:A-B=9,500万円
<乙さんの譲渡税の計算>(交換特例の適用無し)
A	譲渡収入:1億円-3,000万円=7,000万円
B	必要経費:
【ア】	取得費:7,000万円×5%=350万円
【イ】	譲渡費用:0
【ウ】	【ア】+【イ】=350万円
C	譲渡所得:A-B=6,650万円

Copyright 2013-2024 不動産を査定する.jp