不動産の譲渡税の交換特例はどういうときに適用?

★一定の要件を満たせば、譲渡は無かったことに
 交換は、相手から交換で取得した資産(以下、「交換取得資産」という)の時価で、自己の所有する資産(以下、「交換譲渡資産」という)を売却したという行為ですから、譲渡税が課税されます。
 しかし、交換の場合には、金銭の授受がないため、担税力に乏しい点を考慮して、一定の要件に該当すれば、譲渡は無かったこととして譲渡税を課税しないこととしています。
 これを「交換特例」と呼んでいますが、交換に伴って交換差金の授受がある場合については、その交換差金に対して譲渡税が課税されます。
 なお、「交換特例」の適用によって課税されないのは譲渡税だけですから、交換により取得した資産については、登録免許税(登記費用)や不動産取得税が課税されます。

★「交換特例」の適用要件のあらまし
 交換特例の適用を受ける為には、以下の5つの適用要件を満たす必要があります。

①	固定資産である事
交換譲渡資産も交換取得資産も、いずれも固定資産でなければなりません。したがって、いずれか一方が不動産業者等の所有する販売用の土地等である場合には、固定資産ではなく商品である棚卸資産となりますので、「交換特例」は適用されません。
②	1年以上所有している事
交換譲渡資産も交換取得資産も、いずれも両当事者が1年以上所有していたものでなければ、「交換特例」は適用されません。また、相手方の資産が欲しい為に、わざわざ交換のための資産を取得してくるなど、当事者の一方が「その交換のために資産を取得した」と認められる場合には、「交換特例」は適用されません。
③	同一種類の資産の交換である事
 交換特例は、次の【ア】から【オ】に掲げる資産のうち、同一種類の資産を交換した場合でなければ適用されません。したがって、土地は土地、建物は建物同士の交換でなければ、「交換特例」は適用されないことになります。
【ア】	土地(借地権や耕作権等、土地の上に存する権利を含む)
【イ】	建物(付属設備や構築物を含む)
【ウ】	機械及び装置
【エ】	船舶
【オ】	鉱業権(租鉱権等を含む)
④	交換取得資産を交換直前の用途に供する事
交換により取得した資産は、交換に供した資産の交換直前の用途と同一の用途に供しなければならないこととされています。したがって、たとえば、取得した土地も農地(田畑)として使用しなければなりませんし、交換に供した資産が宅地であれば、取得した資産も宅地として使用しなければなりません。
 なお、この④の適用要件は、「交換特例」の適用を受けようとする者だけに要求されている要件ですから、交換の相手方が、交換によって取得した資産をどのように使用しようが、ただちに売却してしまおうが、自信の「交換特例」の適用には影響ありません。
⑤	時価の差額は2割以内
「交換特例」は、交換譲渡資産と交換取得資産の価格(時価)の差額が、そのいずれか高いほうの価格の20%以内でなければ適用されないことになっています。

Copyright 2013-2024 不動産を査定する.jp