2015-03-05
特定事業用資産 | 土地 | 建物 | 売却 | 購入
★「特定事業用資産の買換え」とは?
「居住用財産の買換え特例」と同様に、特定の事業用の土地や建物を売却して、新たな土地や建物を購入し、かつこれを再びの事業の用に供する場合には、「特定事業用資産の買換え」(以下「事業用の買換え」という)の特例が存在します。
事業用の買換えは、全部で17項目にわたり、大きく区分けすると次の3点に大別されます。
①、「事業の用に供している一定地域内にある土地または、建物を売却して一定地域内にある土地や建物を取得した場合」
②、「事業の用に供している長期所有の土地または建物を売却して、代わりの土地や建物を取得した場合」
③、「事業の用に供している船舶を売却して、代わりの船舶その他の減価償却資産を取得した場合」
このうち、①の買換えは、過密地域から郊外へ買い換えるものや、大気汚染規制区域から規制区域外への買換えなど、人口政策、公害対策など社会政策的な見地から買換えが定められています。
これらの事業用の買換えのうち、圧倒的に多く利用されているのが②の買換えで、略して「長期所有資産からの買換え」(租税特別措置法37条1項15号の買換え特例)と言われるものです。事業用の買換えと言った場合は通常、この規定をさしています。
では、今回は、この中でこの「長期所有資産からの買換え」を中心に説明していきます。
★事業用の買換え特例を受ける為の適用要件とは?
まず、この事業用の買換え特例を受ける為には、以下の4点の要件を満たしている必要があります。
①、どんな資産を売却するのか?
②、どんな資産に買換えするのか?
③、いつまでに買い換えるのか?
④、いつまでに事業の用に使用するのか?
上記の要件について、わかりやすく解説すると、以下のようになります。
①、どんな資産を売却すれば適用されるのか?
事業(事業に準ずるものを含む)の用に供している土地や建物などで、売却する年の1月1日において所有期間が10年を超えるもの。
②、どんな資産に買い換えれば適用されるのか?
事業の用に供するために購入する国内にある土地や建物などです。ただし、買い替え資産として土地を取得した場合、その土地の面積が売却した土地の面積の5倍を超える場合には、其の5倍を超える部分は買替資産に該当しないこととされています。また、土地には、借地権や耕作権などの土地の上に存在する権利も含まれます。
③、いつまでに買い換えれば適用されるのか?
売却した年、または前年、翌年中に買替資産を購入すればよいことになっています。
④、いつまでに事業の用に使用すれば適用になるのか?
取得した日から起算して1年以内に事業の用に供すればよいことになっています。