マンションの売買が決っても、まだ、安心できません!

 買主候補の人と契約に関する交渉が終わると、次はいよいよ契約となりますが、契約書といったように、書面が必要となるような契約は、大きな買い物や売り物を行った際に発生します。個人が行う不動産取引は、通常「人勢で最も大きな売買」ですので、当然、たくさんの書面に署名、捺印を行います。以下のような書類に署名や捺印を行っていきます。

・契約書
・重要事項説明書
・物件状況確認書
・設備表
・支払い約定書
・領収書

これ等の書類は仲介会社が作成して、説明をしてくれますが、しっかり見ておくべき項目があります。

◆契約書で気を付けたい点
 一番大事な書類が、売買契約書です。
 ですが、大体ほとんどの仲介会社は、ろくに契約書文面の説明もしないで、「当社にて売買契約書を作成しました。とにかくこちらに判を押してください。」という営業マンや、契約書について売主さんから質問があった時に、「こちらは一般的な契約書ですから、ご理解ください。」、「大手さんが使っている契約書と一緒ですから、ご安心ください。」といった営業マンです。これは、もはや説明放棄どころではなく、背信行為とも言えるくらいです。
 売主さんと買主さんが揃う契約の場まで、契約書を見せない不動産会社なども危険です。
 不動産仲介業界にもいくつか組織が存在しており、書式が統一されているケースは多いです。とはいえ、それらは、業務の簡略化もありますが、売主さんや買主さんのリスクの「折衷案」となっている統一案の場合が大部分なので、気になる部分はしっかり質問しましょう。つまり、しっかり目を通しておくことが重要です。

◆手付期日は手付金と同じくらいに重要です
 売主さんは契約時に手付金をもらいます。手付金は売買代金の一部で、申込金のようなものです。一般的には、売買代金の5~10%程度を手付金に設定します。
 受領する金額も大事ですが、確認すべきは期日です。最悪のケースを紹介しますと、同じマンション内で、すごく安い金額の物件が出てきてしまった場合、買主さんから手付金を放棄され解約されてしまうというリスクが出てきます。
 と言った大問題が発生してしまうので、今後の販売活動に悪影響が出てきてしまいます。売主サイドとしては、手付放棄ができる期日をできるだけ短くするべきであると認識してください。

◆買主側のローンが与信クリアしているかの確認
 契約前に気にしてほしい事の一つが、買い手の住宅ローンの審査が通っているかどうかという事です。住宅ローンを組まない人もいますが、多くの人はローンを組んで購入されます。ローン審査が通っている買主かどうかが、売主さんにとっては重要です。
「ローン審査が通るだろう」と「ローン審査が通っている」とでは、全く意味合いが異なってきます。両手仲介の場合、自社の顧客での契約を優先させる傾向があり、「ローンの審査が通っていない顧客」であっても、すぐに「契約しましょう。」と勧めてくる営業担当がいます。
 住宅ローンの審査がNGだった場合、契約は白紙解除にするという特約を付けるのが一般的です。この特約を、「ローン特約」と言いますが、ローン特約による解除では、契約時にもらった手付金も返還しなくてはいけませんし、契約書に添付した収入印紙の数万円が無駄になってしまうと言った事が発生してしまいます。
 多くの銀行の住宅ローンの審査には、契約前の「事前審査」があります。余程の事が無い限り、買い手の事前審査が通っているか確認してから契約を勧めていくのが一般的ですが、全ての不動産仲介をする会社が同様とは限りませんので、ローンの審査が通っているか、通っていないのか?という点は、非常に大事と言えます。事前審査をされているかどうかは確認しておきたい点ですよね。

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