2015-11-23
不動産査定 | 売却希望価格 | 不動産会社 | 査定額 | メリット
長年住んできたご自身の不動産を売却する為に、数多くの不動産仲介業者にその物件の査定をしてもらう訳ですが、その際に、ご自身の中では、周辺区域の物件に比べてみて、自分の物件にしかないメリットを提示して、不動産会社の査定に対して不平、不服を感じてしまうといったケースにぶつかることが良くあります。
もちろん、不動産会社や担当者がまだまだ、知識不足で査定をしてしまうケースが無いとは言い切れません。とは言え、中には、売主の独りよがりが発生しているケースもあります。
もし、複数の不動産会社からの査定が自分の想定している金額と異なっていた場合は、ご自身を疑ってかかる必要があります。
例えば、自分の物件からは、東京スカイツリーがよく見えるとか、夜景がきれいだとか、キッチンにディスポーザーを特注で付けてもらっているとか、エアコンが天井に埋まっているタイプだとか、色々あるかも知れませんが、買う側からすれば、それが決定的に相場より高い金額で購入してくれる決定打になるとは言い切れません。
自分が新築で購入する際の当時であれば、それが、ポイントになっているかもしれませんが、売りに出すタイミングで、それが、ポイントになるとは言い切れません。
例えば、スカイツリーが見える物件など、探せばいくらでもあるでしょう。夜景に関して言えば、タワー型のマンションを購入すれば、大体、夜景はついてきます。ディスポーザーが付いているとか、エアコンなどの設備に関して言えば、それ以外にアクセスの良さや、ライフラインの充実などのその地域の全体図と比較されてしまえば、相場以上の金額を引き出す決定的要因には、なりえないと言えます。
買主の購入決定要因は様々です。通勤通学のアクセス、周辺区域の環境などの要因から、その地域で探す人もいれば、結婚や離婚、子供が独立するなどの要因での家族構成の変動から、間取りから考えるケースなど様々です。
絞り込まれた中から、その物件にしかない特長を買主の主観でメリットを考えます。売主の主観と買主の主観が一致するケースはそれほどありません。もちろん、その一致の為の営業行為を媒介契約する不動産会社は営業努力しなければならないのも事実ですが、いずれにしても「努力」が必要になる、つまり、買主主観の査定額や購入額アップの絶対条件ではないという事です。
その地域の相場は、ポストに定期的に入ってくる周辺の物件の売出価格を見て入れば、大体イメージが沸いてきます。また、近所の不動産屋の窓などに張り出されている物件などのチラシも相場を理解するうえで、大きく役立ちます。
見ていると気づくのは、一番最初に価格ですよね?たとえば、夜景でも、設備でもその物件にしかない売主が思う販売価格が相場以上だとおもっているメリットを考慮していても、周辺の相場が3千万円くらいで、売主主観の自分の物件の価格を3,300万円だともっていても、チラシなどの横に、類似の場所と間取りで、2,800万円があれば、買主はおそらくそちらに目が行きます。まず、そちらを検討するでしょう。そして、売主が設定した価格とその物件の差額500万円の差が、メリットを考えて買主が購入してくれるか、冷静になって考えてみると、分かると思います。売主主観のメリットはあくまで、売主主観であって、買主にとっては、それほど、重視する可能性が薄い、少ないと言えるでしょう。
その辺を考えて、売却希望価格を設定していきましょう。
とは言え、ご自身が考えているご自身しか知らないメリットに関しては、本当に価値がある場合もあるので、細かい部分を含めて、メリットになりそうな部分を全てメモしておいて、査定に来た不動産会社には全て、共有は絶対した方が良いです。
ここでお話ししたケースの逆で、売主にとっては些細な事でも、不動産会社の見立てや、買主から見た場合は、意外と大きな査定額アップ、成約価格アップの引き金になることもあります。