2014-11-19
相続 | 贈与 | 取得日 | 取得費 | 土地
★短期譲渡だと譲渡税が多額になってしまう
「4年前に父から相続で取得した土地を1億円で売却しようと思っているのですが、所有期間が5年以内だと短期譲渡となって、譲渡税の税率が39%になると聞いています。この土地をもし、1億円で売却したら、4,000万円近い譲渡税がかかってしまうのでしょうか?それなら5年を超えるまで待ってから売却したほうが得でしょうか?」という相談を受けることがあります。
相続で取得した資産については、前所有者の取得日や取得費を引き継ぐことになってします。したがって、この質問のケースであれば、父親がいつ・いくらで取得していたかによって、その取得日、取得費を引き継いで計算することになります。
【事例】
上記質問のケースで、父親が10年前に9,000万円でこの土地を取得していたとしたら、譲渡税はいくらになりますか?
【計算結果】
(※計算の便宜上、譲渡費用は考慮しません。)
①譲渡収入:1億円
②取得費(父親の購入価値を引き継ぐ):9,000万円
③長期譲渡所得(父親の取得日を引き継ぐので所有期間は5年間)
① -②=1,000万円
④譲渡税(所得税と住民税の合計額)
1,000万円×20%=200万円
★取得日、取得費が実際と異なるケース
不動産の取得日や取得費が、実際の取得日、取得費と違うおもなケースは次の通りです。
① 相続・贈与により取得した場合
【1】 取得日
被相続人(死亡した者)または、贈与者のその資産の取得日を引き継ぎます。
【2】 取得費
被相続人または、贈与者がその資産を取得したときの価値を引き継ぎます。
② 交換特例、収用等による代替資産の買換え特例を適用して取得した場合
【1】 取得日
・交換の場合は、交換譲渡した従前の資産の取得日を引き継ぎます。
・収用等の場合は、収用等をされた従前の資産の取得日を引き継ぎます。
【2】 取得費
・交換の場合は、交換譲渡した従前の資産を取得した際の価値を引き継ぎます。
・収用等の場合は、収用等をされた従前の資産を収得した際の価値を引き継ぎます。
③ 買い替え特例(居住用資産の買換え、事業用資産の買換え等)を適用して取得した場合
【1】 取得日
買換資産を実際に購入した日が取得日となります。(引き継ぎ規定はないので注意が必要です。)
【2】 取得費
買換え前の資産を取得した際の価値を引き継ぎます。