代償金を支払って相続した自宅(土地・建物)を譲渡(売却)したケース

 2014-12-10   代償金 | 代償分割 | 相続 | 遺産 | 換価分割
★相続の際に発生する「代償分割」って何?
 事例で説明します。相続財産は自宅だけしかなく、その相続評価額は5,000万円で、家族構成は夫婦と子供3人。自宅は土地・建物で主人が20年前に購入した物件で、実際に暮らしていたのが、相続人である旦那と長男だったとします。
 また、土地・建物を兄弟3人の共有で相続した場合、この家に居住している長男は、自分の住まいが、実際にはそこに住んでいない他の兄弟と共有するということになり、少々、不便が生ずることがあります。
 こういったケースに実施される財産分割の方法を「代償分割」と呼ばれています。
 代償分割とは、長男が土地・建物5,000万円を相続する代わりに、次男、三男には、それに見合う金銭を代償として渡す相続の手法です。
 つまりは、長男が土地・建物5,000万円を相続する代わりに、次男に1,000万円、三男にも1,000万円を支払うという事で話が成立すれば、これが代償分割での相続という事になるわけです。
 代償分割のケースでは、各相続人の相続財産(課税価格)は以下の通りになります。
 結果、相続財産5,000万円を兄弟3人で分けているということになります。
・長男
相続財産:5,000万円
代償金:△2,000万円
代償分割による取得価格:3,000万円
・次男
相続財産:なし
代償金:1,000
代償分割による取得価格:1,000万円
・三男
相続財産:なし
代償金:1,000万円
代償分割による取得価格:1,000万円
・合計
相続財産:5,000万円
代償金:0円
代償分割による取得価格:5,000万円

★代償分割で取得した自宅を譲渡(売却)したケースでは?
 上記のような形で遺産分けを行った後で、長男の単独所有となった土地・建物を売却する場合はどのようになるのでしょうか?このケースでは、長男にとっての居住用財産ですので、長男はその売却した全部について3,000万円控除が受けられるだけでなく、もちろん、軽減税率も適用されます。

 ただし、遺産分割の方法によっては「換価分割」と定義されて、次男、三男に対して譲渡税が課税されるケースがあります。こういったケースでは、事前に税理士等の専門家に相談を持ちかけておいた方がよろしいでしょう。
 換価分割とは、遺産の全部または一部を売却し、その代金を相続人に分配する形態の遺産分割のことです。

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