2014-12-11
軽減税率 | 算式 | 所有期間 | 売却 | 特例
★売却した年の1月1日で所有期間が10年を超えているかどうかで判断
自宅を売却(譲渡)した場合には、その自宅の所有期間に関係なく、譲渡所得(売却益)から3,000万円を控除することができます。
ですので、自宅の売却に関しては、3,000万円を超える売却益がある場合にのみ、その残額に対する税額は、所有期間5年によって区分される「長期譲渡」、「短期譲渡」に応じた税額計算となります。
ですが、自宅の売却の場合には、一般的な5年による所有期間の長期・短期の区分の上に、所有期間が10年を超える場合(売却した年の1月1日現在で判定する。以下同じ)の「軽減税率の特例」規定が設けられています。
「私は、平成8年5月に購入したマンションを、平成16年6月まで賃貸していましたが、その後、入居者が退去したので、駅や職場に近いことから平成17年10月より、このマンションに居住しています。
ところが平成19年になって、この一帯を再開発するということで、マンションを売ってほしいという開発業者からの申し出があり、かなり高い値段を提示されたため、平成19年10月10日に売却しました。
売却利益が5,000万円ほどあるので、居住用の3,000万円控除を適用しても2,000万円の利益が残ります。聞くところによると、所有期間10年を超える自宅を売却した場合は、税率が低くなるということですが、このマンションには2年しか住んでいません。それでも、税金は安くなるのでしょうか?」という相談がありました。
軽減税率の特例は、自宅の譲渡であれば、所有期間が10年を超えていれば適用されるので、居住期間は関係ありません。ですので、相談されたケースでも、軽減税率を適用できることになりました。
この軽減税率の対象となるマイホームの売却は、所有期間10年超のものとされていますが、たとえば、15年前に土地・建物を購入したけれど、建物を10年以内に立て替えていたような場合には対象となりません。
土地・建物とも所有期間が10年超である事が必要ですので、注意してください。
【軽減税率の算式】(所得税及び住民税の合計額)
① 3,000万円控除後の利益が6,000万円以下の場合
3,000万円控除後の利益 × 14%
② 3,000万円控除後の利益が6,000万円超の場合
(3,000万円控除後の利益-6,000万円)×20%+840万円
★借地権者が底地を購入してから10年以内に売却した場合
「このたび、自宅を売却しようと思っているのですが、土地は元々借地だったものを4年前に地主から購入して私の完全所有権にしたものです。借地契約を結んだのは昭和40年で、その後、平成3年に今の建物に立て替えて現在に至っています」と言った事例の場合は、軽減税率は適用されるのでしょうか?
借地権者が底地を購入したような場合は、売却した土地を借地権と底地に分けて考えます。
この場合は、売却代金のうち借地権付建物に対応する部分は所有期間10ねを超えているため、軽減税率の対象となり、底地に対応する部分は所有期間4年ですから、軽減税率の対象にならないだけではなく、短期譲渡となって高額の譲渡税がかかってしまいます。
なお、このように所有期間の異なる不動産を売却する場合の3,000万円控除は、税率の高い方(底地)から適用していく事になります。