事業用の買換えは売却代金の80%が上限です。

★買換え特例の適用は売却代金の8割まで
 「住居用の買換え」は、売却代金以上の買い替え資産を購入すれば、譲与税は無しになりますが、「事業用の買換え」の場合には、売却代金の8割までしか買換え特例の適用が認められておりませんので、注意が必要です。
 ですので、以下の算式にあるとおり、買い替え資産の購入代金が売却代金以上であったとしても、売却金額の20%は課税の対象となってしまいます。

☆事業用の開花家特例を適用したケースの譲渡税の計算式
①譲渡収入(売却代金)
[ア]売却価額≦買換価額の場合
  売却価額-売却価額×80%=特例適用後の譲渡収入(A)
[イ]売却価額>買換価額の場合
 売却価額-買換価額×80%=特例適用後の譲渡収入(B)
②必要経費
 (売却資産の取得費+譲渡費用)×(A)または(B)/売却価額
③特例適用後の売却利益
 ①-②
④譲渡税
 ③×20%

★事業用の買替特例を適用した場合の譲渡税の計算
 それでは、事業用の買替特例の適用要件を満たしている賃貸マンションを1億円で売却して、もともと、自分が所有していた土地に新たに1億円で賃貸マンションを建設したという場合に、買換え特例を適用した場合と適用しなかった場合とで税金がどのくらい違うか見てみましょう。
 なお、売却した賃貸マンションの取得費は700万円(計算の便宜上、減価償却費は考慮しません)、譲渡費用は300万円とし、必要経費は全部で1,000万円として計算するものとします。
 そうすると、以下の計算結果のとおり、買換え特例を適用しない場合の譲渡税が1,800万円であるのに対して、買換え特例を適用した場合の譲渡税は360万円で済むことが分かります。

[買換え特例を適用しない場合の譲渡税]
①譲渡収入 1億円
②必要経費 1,000万円
③売却利益
 ①-②=9,000万円
④譲渡税
 9,000万円×20%=1,800円

[買換え特例を適用した場合の譲渡税]
①譲渡収入
 1億円-1億円×80%=2,000万円
②必要経費
 1,000万円×2,000万円/1億円=200万円
③売却利益
 ①-②=1,800円
④譲渡税
 1,800万円×20%=360万円

Copyright 2013-2024 不動産を査定する.jp