2015-09-21
不動産 | チラシ | ポスト | 不動産会社 | 虚偽
よく、自宅のポストなどに、「この近くで資産家の方がお子様の為に、不動産を探しています。条件が良ければ、相場より高くても購入します。」、「このマンション限定で探しているお客様がいます。」
といったようなチラシが自宅のポストに投函されている事が、多々あるかと思います。しかも手作り風なので、具体的に感じてしまいます。不動産の売却を検討している人には、これはチャンスだといったように、その不動産会社に思わず、問合せしたりしませんでしたでしょうか?もしくは、これから、問合せしてみよう!なんて思っていませんでしょうか?もし、問合せをしてしまった方、そのチラシに書いてあるようなお客様は、買主様は、本当にいましたでしょうか?問合せをした不動産会社の担当者から、「そのお客様は、他で決まっちゃいました。でも、他にお客様がいるので、ご紹介させていただきます。」などと、言われたりしませんでしたでしょうか?
本当にそんなお客様がいるのでしょうか?以前そんなチラシを拝見して、条件ぴったりの物件があったので、そのチラシに書いてある不動産会社に問い合わせをしたことがありますが、不動産会社から帰ってきた回答は同じでした。
「話が違う」などと、怒ってはなりません。実は、これ、その会社の本部などが、チラシの原案を作成している場合が多く、本当はそんな都合の良い買主さんなんて存在していないと言った事が非常に多いのです。
チラシに記載されているストーリーも、もっともらしく、具体的に記載されているように見えてしまいますが、実際のところ、虚偽の内容が大多数です。
大体どれだけのお金持ちであっても、最初から相場よりも高く購入するなんてことはあり得ません。確かに、「このマンション限定で探している」といったお客様、買主様は存在します。それでも、あなたのマンションは、例えば、購入者が順番待ちをする広尾のガーデンヒルズのように、それほど魅力的で有名なマンションでしょうか?六本木ヒルズのように希少価値がある人気のマンションでしょうか?確かに、購入した当時であったとしても、何十もの物件を数多く見てきて、その中から一番良いと思って、購入された物件ではあると思います。しかしながら、他人からすれば、それほど魅力的な物件とは言い切れません。その人それぞれ、間取り、家族の都合、周辺環境、勤め先など色々な事情は人それぞれ異なります。
実際、賃貸マンションの集合ポストに同様のチラシが投げ込まれている場合だって存在します。賃貸なのにどうやって売るのかと思っちゃいますよね?それではなぜ、不動産業社は、手間暇をかけてまで、このようなチラシを作り続け、わざわざ、あなたのマンションのポストにチラシを投函したのでしょうか?
答えは簡単です。そんなチラシに引っかかって、不動産を売りたいと言うお客様をさがすことだけです。漠然と住み替えを考えている世帯を掘り起こすための営業リスト作りです。当然、売りに出そうと思っている世帯にもぶつかることはあります。どこの業者に売却依頼を出すか、考えている世帯や、売りに出しているお客様を取り込むためです。最初からチラシでうそをつく、こんな事をする会社に貴方の大切な財産を託しても良いのでしょうか?
軽い気持ちで「うちのマンションは今、幾らくらいで売却できるのだろうか?」なんて、思って、その不動産会社に電話をしても、適正な価格をおしえてくれませんし、その会社の売却見込みという顧客リストに登録されて終わりです。
不動産仲介は、お客様に物件を売ることだけが仕事ではありません。売るための物件を確保しなければ、売り買いのマッチング業務をすることはできません。
常に売り物件と買主を探しているのです。買主はチラシやインターネットなどで容易に探す事ができます。特に物件情報雑誌や検索サイトになどに良い物件を掲載していれば、簡単に買主や購入見込み客は見つかる事でしょう。しかしながら、不動産会社からすれば、売主を探すのは、売主を求める専門の情報誌も無ければ、インターネットのポータルサイトも無いのです。漠然と会社のイメージを上げる広告を使用したり、CMを使用して、お金と労力を使います。その為、このような手段を用いて、売り物件を探しているのです。不動産売却の始めの一歩は、買う時と異なり、物件を特定していないので、不動産会社の選定から始まります。テレビのCMなど莫大な宣伝費を使うよりも、安くて効果的な手法を使用しているだけです。
投稿チラシは、不動産会社の集客の為に存在していると認識してください。