マンションを「早く」、「高く」売りたい

 こんな題名でキャッチ―な内容だと思って、ご覧いただいているかも知れませんが、結論から言うと、「簡単に早く、高く売る」なんてことはできません。逆に、不動産の売却に関しての市場や相関図などを理解いただきたく、査定から売却までの全体図をイメージいただきたく、執筆いたしました。
 売主は、まず自分のマンションを売却する際に、専任になる不動産仲介会社を見つけて、契約して、売却活動を行ってもらうと言った、流れで、買主を探してきてもらい、交渉の上、契約に漕ぎ着けます。ちなみに、この不動産会社との契約を一般的には、媒介契約と言います。

◆道理として早く売れるのは安い価格
 当たり前の事です。安い価格であれば、買主候補は多く集まる事でしょうし、その結果、売買契約も早く決まる事でしょうし、逆に、高く設定すれば、数ある競合物件を見比べて、その物件に固有の価値を認めた買主が現れるまで、時間をどうしても要します。
 つまりは、不動産会社の選定から始まる売却活動ですが、実際の売却活動は、どのタイミングで、売ることを決断するかにかかってきます。迷っている間にも、タイミングを逃している可能性があります。

◆どのタイミングで売却活動をスタートするのが理想?
 人の動きに連動します。3月以前や、9月以前は人の動きも多く、引越し屋さんに見積もりを取ると、高額な見積もりが出来上がってきますが、同様に考えると分かりやすいです。これは、どちらかと言うと、高額に販売しやすいタイミングであると、同時に、近いタイミングで売却活動を開始することで、早く契約が決まる可能性があるという事です。
 ちなみに、どのタイミングが理想的なスタートなのかは、様々な要因を鑑みる必要があります。
 まず、エリアです。首都圏の人気のエリア、新築のマンションが次々と立ち上がるエリアなどは、買いたい人が多くいるエリアという事で、新築よりは購入希望者が多いエリアということになります。新築マンションがあるから、そっちに人が多く流れるのでは?といった不安もありますが、お持ちの物件はそこだけです。間取りや、タワー型であれば、眺望など、そこにしかない価値が見出しやすく、平均半年程度かかる販売活動も、3月のゴールを目指すのであれば、年末から準備しても、十分間に合う可能性があります。
 逆に、郊外のファミリー層を狙うような物件になると、駅からの距離などのメリットや、その物件にしかない魅力を見出さない限り、新築物件があれば、そちらに流れる可能性も否めず、しかも、もし、郊外なのに、ファミリー向けではなく、独身向けの物件だったりすれば、6か月以上も前から準備を始めても良いかもしれません。

◆安易な値下げはしない
 売却する際の金額と不動産会社の査定した金額は別物です。売れなければ、査定した金額以下に下げましょうといった報告を不動産会社から連絡が来ます。その地域の相場や、同じマンションの別の売り物件があれば、それらと比較してみて、段違いに高い金額を設定していない限り、安易な値下げは避けましょう。相場に近い金額で設定しているのであれば、売却活動してスグに買主候補が出てこなくても、我慢する必要があります。
 また、ただ、我慢するのではなく、不動産会社から定期的に営業活動の報告が来ますが、しっかり営業活動ができているのかを確認する必要があります。
 確認すべき事項をいくつかざっくり紹介します。
・チラシのポスティング、新聞折り込みをしっかり周辺区域にアプローチしているか
・レインズの物件情報に登録をしているか(広域にアプローチしているか)
・チラシの中身を見て、しっかりと、その物件にしかない魅力を伝えているか?
・不動産会社に自分の物件がインターネット上で紹介されているか?
もし、内見などの話が来ていない状態であれば、こういった営業活動がしっかりされているのかを確認しましょう。もし、いずれか一つでも欠けている場合は、正直、値下げするかどうかと言うよりも、その不動産会社を疑う必要があります。筆者であれば、不動産会社を変えるかもしれません。

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