中古の戸建て住宅を売るためのコツ

 新築の物件に比べると、中古の物件は確かに売りづらいという性格があります。どうして、新築の方が売れるのか?日本の全体の経済は、厳しい状態にあると感じている人の方が多いと思います。つまり、割安な中古物件の方が売りやすいのではないか?売れるのではないか?と考えている人も多くいると思いますが、実際の所は、割高と感じても、新築の方が売れてしまいます。
 これは、不動産業界のお金の流れが一因にあります。
中古の不動産物件を販売する際は不動産仲介業者と媒介契約を結んで販売します。また、その先には、別の不動産会社が存在して、その不動産会社の向こうには、買主がいます。
 買主サイドにいる不動産仲介会社は、売買が成立すると、中古物件を販売する際は、買主から仲介手数料を貰います。また、売主と媒介契約した不動産会社は、売主から手数料を貰います。つまり、買主サイドにいる仲介会社は、買主からしか不動産仲介手数料を貰えないという事になります。
 ところが、新築の物件と比較すると、この手数料が少し変わってきます。新築物件の場合は、その物件を建築ないし販売する不動産会社が買主になります。仲介する不動産会社はこの新築に関しては、従来通り、買主から手数料を貰えるだけではなく、買主からも手数料を貰うことが出来ます。
 そうなると、当然ながら、仲介会社からすれば、新築物件を売った方が、利益になりやすいので、自然と、新築を売っていきます。

 また、中古物件が売りにくい理由は、もう一つあります。中古物件の中でも一戸建ての住宅の場合をケースとして、取り上げます。
 悲しいかな、築25年以上の物件になると、建物の価値は、大分目減りしてしまい、建築基準法と照らしても、安心できる物件とは言い切れない物件になっており、土地の価格がかなりの比率になります。
 もともと、取り壊す予定で新築を自分で建てる予定で購入したいと言った買主がいれば、別の話ですが、なかなか、そういった希望を持った買主を見つけることは、難しく、ここで、中古の一戸建て住宅を売るにはどうしたら良いのか?一つの目安をお伝えすると、買主の立場に立って考えてみることをお勧めします。
 中古物件を購入するという事は、すべてが新築のように、新品ではなく、部分によっては、老朽化が進んでいる事が想像できます。しかしながら、買主からすれば、売主がそういった販売価格に対してデメリットになる情報は隠しているに違いないと、二の足を踏むことが多いのが現状です。
 そこで、逆に、お勧めするのが、売主はしっかりと、建築免許を持った不動産建築士にお願いして、不動産の物件の状態を見てもらう、診断してもらう事が重要です。するとか「調査診断書」を出してもらえます。すると、どこが新品同様で、どこが、老朽化が始まっているかなどを分かりやすく「見える化」してくれます。
 とは言え、日本の建築基準が高く、現在の基準に到達していないかもしれない。と不安に思うかも知れませんが、建築技術も負けず劣らず高いクオリティです。
 よほどの古い物件でない限り、耐震基準を満たしていないとか、建築物としての欠陥などは見つかる事はありません。水回りの劣化や、壁の状態など、買主側の購入決定要因を覆す程度の問題が発見されることは無いでしょう。
 重要なのは、どこに問題があるのかを隠していると思われてしまい、せっかくの機会を失ってしまう事です。出せる内容は全てさらけ出すことで、売買成約のスピードも速くなりますし、成約率も上がる事でしょう。
 また、同様に、媒介契約する不動産会社選びの基準の一つともなりますが、その仲介会社が、物件の診断を行ってくれるかどうかを確認すると良いでしょう。単純に営業マンに診断してもらうのではなく、国の資格を持った建築士の診断を受けられることを、媒介契約の際に確約してもらえる会社にお願いしましょう。

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