売れない理由のひとつ。買主と売主の価値観の違い

 2016-02-08   査定額 | 販売価格 | 値上げ | 自殺 | 家財
 買主候補者が、あなたの不動産物件の販売期間中に興味を持ってくれてもなかなか、部兼が成約しないという事も良くある話です。これは、買主と売主の価値観の違いが大きく影響している事が多く、そんな理由のひとつ。価値観の違いにスポットを当ててみました。

 いくつか事例を挙げていきたいのですが、良くありがちなのが、売主サイドの気持ちですが、もう少し高い金額で売れないかといった話です。不動産の査定段階でだしてそのタイミングでは納得してもらった査定額を販売価格にだして不動産会社は営業活動を行っているのですが、いざ、売れそうなタイミング、買主が興味を持ったタイミングで、もう少し、値段を上げられないかといった問い合わせが発生します。
 もちろん、心理的な部分は良く理解できます。1%でも価格が上がれば、それだけで100万円~500万円が変わることもあります。高額な不動産ならではですが、1%の大きさはかなりの違いです。
 ところが、買主の心理的な状況で言えば、逆です。1%でも安く購入できないかという気持ちです。そもそもお金があれば、高い確率で新築物件を購入するわけですから、そのような中に、新築物件ではなく、中古に目が映るのは、その物件にしかない余程の理由が無い限りは、金銭的な理由で中古を選ぶという事です。そのような中で1円でも値段を挙げたいという希望、交渉事を不動産会社に依頼しても、なかなか決まるものではありません。むしろ、買主は離れます。どんな買い物でもタイミングと言うものが重要で、せっかくの買主を売主の気まぐれで、チャンスを逃すという事も十二分に考えられます。であれば、査定の段階で相談するべきです。一度決めた販売価格というものは簡単に値上げできないという事を理解しておくと良いでしょう。

 また、心理的瑕疵というものをご存知でしょうか?建物自体が持っている物理的な問題に関してではなく、その建物で起こった事象というべきでしょうか?たとえば、その物件で、家族が自殺した経緯がある物件などが該当します。自殺した家族は、それほど、仲が良い訳でもなく、しかも、かなり前の話という事で、売主としては、さほど気にしない内容であったとしても、買主からすれば、かなり気になる内容です。これは、販売価格や査定額にも大きく影響します。不動産会社にその話をしないで販売してしまった場合で、売却成立後、自殺の事実が発覚してしまったら、これは、裁判沙汰に発展することもあります。おそらく高い確率で賠償金の対象になってしまう事でしょう。
 もし、その物件が購入後に耐震強化を行ったり、有名なブランドの有名な設計者のシステムキッチンなどに改築していたとしても、そういった面は評価の対象になることもありますが、買主からすれば、メリットよりもデメリットに関して、目が行くものです。過去に自殺したことのある物件であれば、それなりに評価は下がってしまいます。ただし、隠して販売することは違反行為になりますので、査定に来た不動産会社にしっかり説明しておくことが重要です。

 また、最後に先程のシステムキッチンや耐震強化などは、評価に値するケースが多いですが、例えば、昔に購入したエアコンや、照明などの家財に関しては、売却の際に置いていくから、販売価格に色を付けることが出来ないか?といった売主にとってはオプションのようなつもりで提案してくることがあります。
 一見、いい話に聞こえるかもしれませんが、買主と売主の心理は大きく異なります。買主からすれば、趣味嗜好も売主と異なり、自分の希望の形にしたいと言うのが心情で、古いエアコンなど、むしろ、撤去して捨てる費用がかさむだけで、興味が無いという事の方が多いでしょう。また、無料で差し上げると言うのも迷惑として捉えられることも少なくありません。置いていく家財、置いていきたい家財に関してもしっかり不動産会社と相談されることを勧めます。むしろ、家財などは、持って行ってくれ。処分してほしいと考えている買主の方が多い事も売主は知っておくと良いでしょう。

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