住民票があれば、3,000万円控除対象の自宅と認められるか?

 2014-11-27   3 | 000万円控除 | 不動産屋 | 売却 | 重加算税 | 特例
★悪質な脱税行為は重課税の対象に
 職業柄いろいろな相談を受けていますが、次のような相談を受けました。
 「実は、いままで賃貸していた家が、空き家となってしまいました。この家と土地は、10年ほど前に父親から相続したものなのですが、父親が昭和40年ごろに土地を購入して家を建てたものなので、建物も相当老朽化しています。仮に賃貸に出そうとしても、かなり手直しをしなければ借り手はつかないと思います。この際、売却してしまおうと思って不動産屋さんに確認したところ、結構いい値で売却できそうです。」
 頭が痛いのは税金の問題で、いい値段で売れる分、利益も大きいのでかなりの税金がかかってきそうです。ところが、知人から、『売却する前に住民票をこの空き家に移してしまって、自宅として売却すれば、3,000万円控除が使えるから、利益が3,000万円までなら税金を払わなくてもよくなるぞ』というアドバイスを受けました。そこで、住民票を移してから売却しようと思います。この売却についての確定申告は、自宅を売却したものとして申告するつもりですが、何か問題はありますか?」

 この相談事例は、そもそも、自宅ではないものを自宅とウソをついて申告するという事ですから、3,000万円控除はもちろん適用できないだけでなく、悪質な脱税行為として、本来の税金のほかに罰金(重加算税)が35%(または40%)増しでかかることになります。

 このように説明すると、人によっては、「それでは、実際に半年ほどこの家に住んでから売却すれば3,000万円控除が適用できるのではないか?」と反論される方がいます。
 しかし、「この特例を受ける為のみの目的で入居したと認められる場合」や「一時的な目的で入居したと認められる場合」には、3,000万円控除は適用できないものとされています。
したがって、たとえ半年入居してから売却したとしても、「この特例を受ける為のみの目的で入居したと目止められる場合」に該当することになるので、3,000万円控除を適用することはできません。

★半年で無く1年居住したらどうなのか?
 ここまで説明しても、さらに「理屈では分かりますが、実際に住むわけですから、特例を受ける為のみの目的である、とは税務署も断言することはできないのではないですか?半年ではだめというなら、どれくらい長く済めば大丈夫なのですか?」と言われる人がいます。

 たしかに、このような問題は「事実認定」といって、本当はどうだったのか(事実は何か)という問題になります。
 税法では、「この特例を受ける為のみの目的で入居したと認められる場合」は適用しないといっている以上、たとえ、1年居住しとしても、元々の居住目的が特例適用の為ですから、3,000万円控除は受けられません。どれだけ居住すればよい、と言うものではないのです。
 いずれにしても、そもそもの動機が特例適用目的である以上、たまたま税務否認を受けなかったとしても、それは例えは悪いですが、「ドロボウしてもつかまらなかった」というのと同じであり、あまり変なことは考えないようにした方が良いでしょう。

 なお、「一時的な目的で入居したと認められる場合」も3,000万円控除を適用でき無い事になってしまいますが、これは、「老朽化した自宅を建て直すために、それまで他人に貸し付けていた家屋から借家人に立ち退いてもらって、そこを建て替え期間中の仮住まいとし、立替完了後にその仮住まいを売却する」といった場合が、該当することになります。

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