売買契約した後で死亡してしまった場合の譲渡税の申告は?

 2014-12-07   売買契約 | 自宅 | 譲渡税 | 手付金 | 死亡
★契約を締結し、手付金を貰った後に亡くなったら?
 こんな相談を受けたことがあります。
 「私の父は、父所有の自宅を5月3日に1億円で売却する契約を締結し、手付金1,000万円を受け取ってから、数日後に死亡しました。残金決済引渡しが7月31日であったため、長男である私が父の自宅を相続して、残金決済引渡しを行ったところです。この場合の譲渡税の申告はどのようにすれば良いのでしょうか?なお、売却した自宅は東京の世田谷区にありましたが、私は横浜に居住しており、この家には住んでおりません。」

 この場合は、「契約日ベース」で申告をするのか、「引き渡しベース」で申告するのかによって、申告内容が全く変わってきます。
 どちらを選択するかは、納税者の自由となっていますが、父親がこの土地・建物を取得したのが24年前で、売却代金1億円に対して必要経費が3,000万円で、3,000万円控除適用前の譲渡所得が7,000万円だった場合の、契約日ベースと引渡しベースの有利・不利と比べてみましょう。

★「契約日ベース」を選択して申告する場合
 この場合は、被相続人である父親の申告という事になります。死亡した人が行う確定申告を「準確定申告」といい、通常の所得税の確定申告は翌年の3月15日が申告期限ですが、脂肪の場合は死亡から4か月以内に相続人が申告納税を行うことになっています(4か月過ぎてから申告納税した場合は、無申告加算税と延滞税がつきます)。
 父親の所得として準確定申告をする場合は、父親は自宅を譲渡したわけですから、3,000万円控除を使うことが出来ますし、所有期間も10年を超えているので、軽減税率が適用されます。
【父親の税額】
7,000万円(譲渡所得)-3,000万円(3,000万円控除)=4,000万円
4,000万円×軽減税率10%(所得税10% 住民税無し)=400万円
※軽減税率は、所得税10%、住民税4%なので、譲渡税としては合わせて14%ですが、住民税は1月1日現在の居住者の前年の所得に対して課税されるものです。したがって、父親は死亡した翌年には居住者ではないので、申告対象となる前年の所得には住民税が課税されないことになります。

★「引渡しベース」を選択して申告する場合
 この場合は、相続した長男が申告することになります。長男の申告は通常の確定申告ですから、申告期限は売却年の翌年の3月15日です。なお、長男はこの家に居住していなかったため、3,000万円控除は適用できません。
【長男の税額】
7,000万円(譲渡所得)×20%(一般税率:所得税15%、住民税5%)=1,440万円
 なお、長男がこの家に居住していた場合は、3,000万円控除と軽減税率を適用できるので、
7,000万円(譲渡所得)-3,000万円(3,000万円控除)=4,000万円
4,000万円×軽減税率14%(所得税10%、住民税4%)=560万円
となります。
※引渡しベースで長男が申告する場合、長男い相続税が課税されるときは、「相続税の取得参加費の特例」が使えます。

 このようなケースは、契約日と引渡し日のいずれを選択するか、また、誰が相続するかによっても、税額が異なってきます。損得の差が大きくなるケースなので、税理士等の専門家に相談することをお勧めします。

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