【不動産売却事例】仲介会社変更・不人気エリア・繁忙期

 ここでは、マンションの販売の事例をいくつか紹介させていただきます。うまく、簡単に売却できた事例ではありません。5件ほど、紹介させていただきますが、いずれも、色々な理由などが重なり、不動産会社の査定から簡単に買主が見つかり、売却できなかった例になります。
 ちょっとした、取組で、ガラッと状況が変わった事例と言えます。ハイシーズン前の繁忙期に売りに出してしまった事例、人気のないエリアでの売却事例、仲介会社を変更したら売却が出来たといった事例をご紹介させていただきます。


【事例1】その物件の魅力を知っている販売員のおかげで売れた
・地域:東京都江戸川区、古い物件が並ぶ中、新築も増えてきているという激戦区
・物件立地状況:駅から徒歩5分程度、眺望のよいマンション
・売主:結婚を期に新築に移るために売却

 複数の不動産会社に査定を行って、希望に沿った会社を選び、媒介契約を行いましたが、3か月程度の期間を経ても売却がなかなか進まない状況でした。後程、伺えば、周辺の不動産会社へのアプローチが不足していた事が原因でした。
 4か月目に販売状況の好転が見えなかったので、再度、査定を行い、最初の仲介会社とは、解約させていただき、別の不動産仲介会社と媒介契約したところ、不動産の大手ポータルサイトに掲載が進み、また、各不動産会社が営業活動しやすいように、図面を見直し、角部屋で眺望の良さを、文字とカラーの写真を昼と夜のパターンで用意し、また、駐車場が偶然、周辺と比較して安価であったことから、駐車場の安さを相場との比較表も用意してくれました。
 また、江戸川区で不動産を購入する人の特長を考慮し、広域、つまり遠い地域の人が憧れの地域として、探してくるケースは少なく、むしろ、地元の人が引っ越しに伴う子供の学区の変更を嫌ったり、実家から近くを望む人、地元で働いている人の多さなども考慮し、地元の近隣の不動産会社への直接営業を数多くこなしていただき、オープンルームの開催、チラシ配布などを積極的に行っていただきました。
 その結果、複数の不動産会社がオープンルームの開催に名乗りを上げてくださり、偶然その会社の中の販売員の一人が、以前、このマンションの分譲のタイミングで販売を担当したことがあるに出会うことが出来き、その方の協力で、さらに、図面などや写真の見直し、アピールポイントの変更を行った結果、偶然、オープンルーム期間中に通りがかった人にこのマンションの詳しい説明を、その資料を元におこなったところ、簡単に購入に至りました。


【事例2】不動産の売却繁忙期での販売
・地域: 東京都港区芝浦。タワーマンションが乱立する地域、近隣の人気エリア、豊洲、東雲と比較すると、アクセスが良好で人気のエリア
・物件立地状況: 運河を望む眺望のタワーマンションの中層階。窓が高く、運河を見下ろす景色は、ドラマなどでも使用されています。賃貸で出していた割には、部屋の状態が良い。
・売主:40代男性、賃貸にしていたが、借家人の退去に伴い売却

 賃借人の退去予定が2月初旬、本来であれば、そのタイミングから売却を開始するものですが、不動産売買市場の繁忙期と言われているのが1月~2月末で、このシーズンは確かに競合は多いものの、物件が一番動く時期なので、本来であれば、退去予定期間に販売活動を開始したりはしませんが、内見可能な日を設定して販売を開始することを不動産会社に提案されて、販売開始に踏み切りました。
 このタイミングでは実際に部屋を見ることが出来ないのですが、外観の写真や以前、撮影した眺望の写真をうまく活用し、イメージを伝える為の資料を作成いただきました。
 部屋が内見可能になる前から、数多くのお問い合わせや、オープンルーム開始の予約が入り、結果、内見可能になった翌週に、査定金額であり、公開した売却希望金額通りに、売却が完了しました。


【事例3】
・地域:江戸川区の中でも知名度の低い北部エリア、周辺には、公園が多く、ファミリー層に嗜好されるエリア、記念は沿線で新築マンションが建ち始めてきている。中古マンションの価値相場が厳しい状況。 
・物件立地状況:駅から徒歩10分程度、閑静な地域
・売主:30代夫婦。一戸建てへの住み替え

◆相談内容
売主夫婦はアウトドア好き、長期休暇には必ず山に出かけ、スキーなどを楽しむ為に、自動車やバイクなども所有し、手入れも欠かさないが、マンションには、駐車場が無い。大型のバイクを置くこともできない。そんな小さな不満が少しずつ積み重なった結果、新築戸建のモデルルームを見て衝動的に即購入契約を交わす。ただし、ローンを二重で借り入れることはできない為。現在のマンションを売却することが購入の条件になる。5か月以内に今のマンションを売却できなければ、せっかくの戸建て住宅の購入契約がキャンセルになってしまう。

◆売却までの経緯
 売主夫婦は、最初に契約した不動産仲介会社で売約を開始。「期限まで5か月あるので、仲介業者に任せておけば、ほどなく売却できるであろう。」と考えていたのですが、なかなか、思うように売却が進まず、最初の1か月は内見0件。仲介業者からの「価格が高い」という説明に、価格を下げたものの、それでも反応の良い買い手が現れず、仲介業者からさらに、「まだ、価格が高いので、値下げしよう。」と説明を受け、「本当にこのままで売却ができるのか?」と心配になり、新築戸建を申込んでいた不動産業者に相談したところ、別の不動産業者を紹介してくれたので、既存の不動産媒介契約は、解約させてもらい、紹介いただいた業者と契約することにしました。
 新しく紹介された不動産会社は、棟内チラシの配布、周辺チラシの配布、インターネットの不動産ポータルサイトへの掲載、他の近隣の不動産会社のホームページへの掲載を進め、本来であれば、この流れに2週間程度の時間を要するのですが、期間が限られていたので、販売用の図面の作成前から動いていただき、情報だけ先行して不動産会社に伝達し、結果2週間の工程を5日程度に短縮してもらう。
 結果、売り出した週には、内見が入り、その後、1か月後6組の内見。しかしながら、良い反応は得られるものの、なかなか申込みまでには至らず、売主夫妻もあきらめかけたところ、今度は売却が中止になる可能性が高い事を知った内見者が、最終日に申込みいただき、売り出しから12組目の内見、期限最終日で決まりました。
 動いてくれる不動産会社かどうか、最初の不動産会社の時、毎週の面談の際に売却活動の内容を確認しておけば、良かったとの事でした。


【事例4】仲介会社を切り替えた効果
・地域: 渋谷区、私鉄駅徒歩1分程度
・物件立地状況:駅から徒歩1分という好立地で新宿、渋谷に10分程度でアクセスでき、眺望が270度と開けており、部屋は狭いが、開放感が圧倒的。
・売主:30代夫婦、賃貸への住み替え

 元々媒介契約して中古物件を任せていた不動産会社に安心して、人気エリアという特性があるので、任せていただのですが、いつまでたっても内見の話が来ないという状況で、3か月でたったの2件、おかしいと感じた売主が、知人の不動産会社に相談したところ、不動産の売却物件情報は、レインズという不動産会社だけが閲覧することが出来るシステムに登録されている筈が、自分の物件の情報が掲載されていないことが分かり、それでは、どの不動産会社も取り扱っていないので、そもそも、内見が来るわけが無く、どうして、レインズに登録されていないのか、知人に確認したところ、契約した不動産仲介会社は、両手仲介を狙っていることが分かりました。両手仲介とは、販売手数料を売主だけでなく、買主からも手数料を貰う方式で、本来は、売主だけからもらうのが一般的だが、最近は、両方から貰えれば、利益が2倍になるので両手仲介が増えているらしく、両手仲介をするためには、買主も自身の不動産会社で見つける必要があるので、レインズなどを使用して、他の不動産会社に情報を公開していなかったそうです。
 しかも、何かある度に、値下げ交渉をしてきたそうです。買主からもフィーが入るので、簡単に決めたいという事だったそうで、急いで、その不動産会社との媒介契約を打ち切り、解約して、他の会社の見積もりを取って、両手仲介し無い事、レインズに登録して、そのページを見せる事、他の不動産会社の販売活動についても、報告してくれることを条件に、いくつかの不動産会社に査定見積もりを依頼して、この条件をのんでくれるところに、媒介契約をお願いしたところ、たったの2週間で、内見依頼が5件、初月で10件程度が集まり、その中から、売却が成立したそうです。
 ちなみに、買ってくれた買主さんに、伺った話では、この物件の情報は方々の不動産会社で確認しても、販売当初は見つからなかったそうです。完全に情報を遮断して、自社で買主を見つけて両手したかったのでしょう。
 不動産会社をチェンジしただけで、簡単に買主を見つけられた、分かりやすい事例と言えます。

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