親族間や同族会社との間の不動産売買は要注意

 2014-11-21   土地 | 売却 | 親子 | 兄弟 | 法人
★「低額譲渡」は「贈与」とみなされる
 法律の形式上では、贈与というか形をとっていない場合でも、実質的に贈与と同じとみなして贈与税がかけられるケースがあります。
 この典型的なケースの一つが、親子や兄弟などの特殊関係者の間での資産の売買です。
 たとえば、時価3,000万円の土地を、1,000万円で親が子に売ったとします。この場合、たとえ売買契約書を作り、所有権移転登記もきちんと行っていたとしても、つまり、贈与という形式ではなく売買契約と言う形式をとったとしても、時価との差額2,000万円は贈与とみなされ、贈与を受けた子供に贈与税が課税されることになります。
 このような売買のことを「低額譲渡」とよんでいますが、この低額譲渡について相続税法では、「著しく低い価格」で売買した場合に課税する、と規定しています。では、どのくらいが、「著しく低い」と判断されるのかというと、実はそれが、難しい所なのです。
 通常、「時価」がみなし贈与課税の場合の基準になりますが、ここでいう時価は相続税評価額(路線価)ではなく、「通常の取引価格」とされています。
 これは、いわゆる「実勢価格」といわれるもので、私たちがよく口にする「相場」と同じと考えてよいでしょう。
 もちろん、相場には幅がありますが、税法でいうところの時価より「著しく低い価格」の幅の限度は、世間相場の2割程度と考えるのが妥当なところではないかと思われます。つまり、世間相場が3,000万円とるすと、2,500万円くらいから低い価格だと、税務否認を受ける可能性が高くなってくると考えられます。
 よく、「親(または兄弟)から土地を買うのですが、いくらで購入すれば贈与といわれないでしょうか」と言う質問を受けますが、「著しく低い価格」の明確な判断基準はありませんので、世間相場より安く売買すればするほど、税務否認を受ける可能性が高くなってくる、と考える必要があるでしょう。
 なお、低額譲渡だと認定された場合は、購入者(贈与を受けた者)が贈与とみなされた金額に対して贈与税を払う訳ですが、一方で、譲渡者にはその実際の譲渡価値に対して譲渡税が課税されることになります。

★法人に対する低額譲渡は税金のダブルパンチとなる
 会社の社長が、自分の所有する土地を自分の経営する会社に売却したとします。先程の例でいえば、時価3,000万円の土地を1,000万円で、社長が会社に売却した場合です。
 この場合、会社は時価との差額2,000万円を社長から経済的利益を受けたとして課税される事になります。(法人には贈与税がないので、2,000万円の受贈駅があっとして法人税が課税されます。)
 それでは、時価3,000万円の土地を1,000万円で会社に売却した社長の譲渡税の計算はどうなるのでしょうか?
 先ほどの親子間の例では、父は実際の売却価格1,000万円に対して譲渡税を計算すればよかったのですが、法人と個人の間の贈与の場合には、「法人に対して時間の2分の1より低い価格で譲渡した場合は時価で譲渡したものとする」と規定されていますので、社長は実際に受け取る金額が1,000万円でも、3,000万円で売却したものとして、譲渡税を計算することになります。このケースでは、まさに税金のダブルパンチとなってしまうのです。

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