同一敷地に親世帯と子世帯の建物がある場合の3,000万円控除

★2棟の建物が一つの家屋と認められない場合
 親が所有する同一の敷地の中に建物が2つ建っていて、A建物には親夫婦が居住し、B建物には、子供夫婦と孫とが居住しているという事がよくあります。

事例
◆A建物(親世帯居住)
A建物に対応する敷地200㎡(親所有)
◆B建物(子供世帯居住)
B建物に対応する敷地200㎡(親所有)

 このようなケースの場合は、A建物およびそれに対比する敷地については、3,000万円控除の適用が受けられますが、B建物およびそれに対応する敷地には通常、居住用の特例は適用されません。
 税法の規定では、「その者が主として居住の用に供していると認められる一の家屋」のみが、3,000万円控除の特例対象となる家屋とされています。
 例えば、子供が高校生になって家が手狭になったため、母家とは別に離れとして勉強部屋を作ったというような場合を考えてみましょう。
 この場合は、たとえ建物が2棟あったとしても、その2棟以上の建物が隣接しており、かつ、これらの建物の構造、設備、規模、家族構成、生計の状況、建物の使用状況等を総合的に勘案して、その2棟以上の建物が一体のものであれば、これらは一の家屋として取り扱われます。
 一般的には、生計を一にする子供や両親の離れ等は、母家と一体のものとして取り扱われますが、離れに別居している両親等が独立した生計を営み、さらに母家と別棟のそれぞれが独立した居住用家屋(玄関、トイレ、台所、浴室等がどちらの家屋にも備わっており、独立した家屋と認められるもの)とされる場合は、別棟は所有者の居住用家屋とはされません。
 このように、家屋が2棟以上ある場合は判定が大変難しく、実務的には事実認定がどうなるかという事になります。
 上述の事例のケースは、通常、それぞれが独立した家屋と認定されると考えられるので、譲渡税の計算は次のようになります。
【計算例】
 たとえば、A建物、B建物ともにそれぞれ1,000万円、敷地(400㎡)が1億円で売却されたとします。
 その場合は下の計算例で示す通り、売却代金を「A建物およびその敷地」に対応する分と「B建物およびその敷地」に対応する分とに分けて、それぞれ区分した譲渡収入から、必要経費(それぞれ2,000万円とします。)を控除して、それぞれの譲渡所得を計算します。
(下の計算式は、土地、建物ともに、所有期間10年超として計算しています。)
<A建物およびその敷地の譲渡税>
①	譲渡収入:1,000万円+1億円×200㎡/400㎡=6,000万円
②	上記に対応する必要経費:2,000万円
③	譲渡所得:①-②-3,000万円=1,000万円
④	譲渡税(軽減税率適用):1,000万円×14%=140万円
<B建物およびその敷地の譲渡税>
①	譲渡収入:1,000万円+1億円×200㎡/400㎡=6,000万円
②	上記に対応する必要経費:2,000万円
③	譲渡所得:①-②=4,000万円
④	譲渡税(一般税率適用)4,000万円×20%=800万円

なお、子供世帯が同居しているB建物の名義が子供で会った場合は、B建物は子供の譲渡税の計算上、3,000万円控除の対象になりますが、B建物の敷地に対応する部分は、3,000万円控除(軽減税率を含む)の対象とはなりません。

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