親子等の特殊関係者間で不動産を交換した場合

 2014-12-17   特殊関係者 | 親子 | 交換 | 土地 | 交換特例
★特殊関係者の間の交換は問題になりやすい
 交換特例とは、交換譲渡資産と交換取得資産の価値の差額が、そのいずれか高い方の価値の20%以内でなければ、適用されません。
 しかし、たとえ客観的に時価が異なっていても、交換当事者間において合意された資産の価額が、交換するに至った事情等に照らして、合理的に算定されていると認められるものであるときは、その合意された価額をもとに「交換特例」を適用することについて、税務署が問題とすることはあまり考えられません。
 問題となるのは、親子間、兄弟間、社長と同族会社間といったように特殊関係者間における交換です。
 交換当事者が親子の場合には、恣意的な問題の決定であるとして、たとえ両者が等価であると主張しても、時価差額分は「交換差金」と認定され、交換特例が適用できないだけでなく、贈与税の課税も行われるということにもなりかねないので、くれぐれも注意してください。

【事例】
 父、甲が所有するA土地と子、乙が所有するB土地を交換したが、お互いに等価交換ということにし、差金の授受は行われなかった。なお、父・甲と子・乙が等価交換とするに至った合理的な事情は存在しない。
【事例のステータス】
・父、甲さん
A土地を時価1億円で保有
・子、乙さん
B土地を時価6,000万円で保有
(客観的な時価の差4,000万円)
【交換特例の適用の有無】
①	価格の高いA土地の時価:1億円
②	価格の低いB土地の時価:6,000万円
③	交換差額割合の判定
1億円-6,000万円=4,000万円>1億円×0.2
∴交換特例の適用無し

このような取引を行った場合は、父・甲と子・乙がお互いに所有する土地を6,000万円で売却し合ったものとして、譲渡収入6,000万円をもとに、それぞれが譲渡税を計算することになるとともに、父・甲の所有するA土地の時価1億円と子・乙の所有するB土地の時価6,000万円の差額である4,000万円は、父・甲から子・乙へ贈与したものとして、子・乙に贈与税が課税されることになると考えた方がよろしいでしょう。

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