不動産を売却した後に戻ってくるお金(保険料、銀行保証料)

 戸建て住宅やマンションを売却したら、あたり前ですが、売買成約金額分の売却益が入ってきます。もちろん、販売してくれた不動産会社さんには、仲介手数料を支払う訳ですが、それ以外にも戻ってくるお金があることはご存知ですか?

 不動産を販売完了すると、利益分の税金の計算など、支払う部分の事を気にしがちで、戻ってくるお金があります。ここでは、その辺の部分、売却益以外で戻ってくるお金に関して説明していきます。

1、保険料
 不動産を購入する際にローンを組んで購入している人が大半だと思いますが、ローンを組む際に同じタイミングで火災保険に入ることを義務として契約したことを覚えていますか?意外と忘れがちですが、一昔前であれば、銀行でローンを組んだ際に、火災保険への加入は義務になっており、今でも、一部の銀行では同様で、住宅金融公庫使用している場合も、やはり義務として火災保険に加入しているはずです。
 住宅ローンと一緒に契約した火災保険は、自動車保険などと異なり、1年契約ではありません。ローン期間中が対象になります。火災などの災害時に、保険でローンの肩代わりができるという見せ方で、その実、火災になる可能性は低いので、保険会社からのインセンティブを銀行側がもらっているということなのですが、いずれにしても、この火災保険は、住宅ローン期間中という事になりますので、かなりの金額になります。35年ローンを組んで間もないようであれば、かなりの金額になります。
 不動産を売却したのであれば、火災保険に加入している意味を失いますので、もし35年ローンを契約していて、物件の売却が購入後10年であれば、残りの25年分の火災保険を返金してもらう手続きをする必要があるという事です。
 あまり知られていませんが、対象不動産を売却した場合、残りの年数分の火災保険料が保険会社から戻る仕組みになっています。この返金手続きは、保険会社に対して、解約の申請請求を行わないと、保険会社にとっては、その物件が売却されたことなど分からないので、返金のしようもないという事で、契約をしている保険会社に対して、返金の手続きを行わなくてはなりません。
 ちなみに、では、どのくらいの保険料が戻ってくるのか?と言えば、建物や保険の中身によって異なりますが、一般的に30年ローンであれば、一括払いで35万円程度になります。
 ですので、上述の例で購入後10年で物件の売却という事になれば、大体20万円程度は戻ってくるという事になります。
 おそらく、契約時はローンの事で頭がいっぱいで、ローンを組む条件として火災保険が出てきた為、どこの保険会社かどうかなど、覚えていないといった人も多いと思います。一般的には購入時の書類と一緒にしているか、ローンの契約書と一緒にしていますが、場合によっては、銀行借入時質権を設定しているときは、保険証券を銀行が持っている場合があるので、どうしても見つからない場合は、ローンを組んだ銀行に確認してみるのも良いでしょう。
 火災保険以外でも地震保険というものがありますが、これは、ローン期間中の長期一括契約ではなく、5年更新なので、場合によっては、火災保険ほど戻ってくる金額の魅力には欠けるかもしれませんが、戻ってくるお金なので、地震保険に加入している場合もしっかりと、確認しましょう。手続き自体は簡単なので、是非、手続きしましょう。


2、銀行保証料
 マンションや戸建て受託を購入する際にローンを銀行で組むと思いますが、そのローンは、大多数が保証人などを立てずに契約をしていると思います。保証人の代わりに保証会社を利用する事例が近年多く、その保証会社に、ローン期間中分の金を支払って保証してもらっています。
 この銀行保証料も、上述の火災保険などと同様に、返金の対象になります。ローン期間の残りの期間が長ければ、長いほど、戻ってくるお金は大きくなります。
 一般的に、この銀行保証料の金額計算ですが、金利に0.2%程度上乗せされていることも多いですが、借り入れ当初に、別払いで諸費用として計上されている場合は、融資期間の一括払いが原則になっているので、もし、3500万円のローンを組んだ場合は、一般的な35年ローンであれば、大体70万円程度の金額になります。
 これは、保険料と異なり、不動産売却が確定した段階で銀行にローンの抹消手続きを行うと思いますが、その際に、銀行側が調べて返金してくれるので、手続きは簡単です。

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