不動産売却にもクーリングオフはあるの?

 クーリングオフ制度は不動産売却においても有効で、原則として撤回や解除が可能ですが、不動産業者の事務所やモデルルームで行なわれた場合は適用除外となります。
 また、意思表示として書面を発することでその効果が発生します。


もくじ
1.クーリングオフとはどういう制度なのか
2.売主制限として課せられている
3.不動産売却独自の規定について
4.どうやってクーリングオフするか


1.クーリングオフとはどういう制度なのか
 基本的に売買契約というものは、一度締結すると、相手方に債務不履行等、たとえば、物を売ったのに代金を支払わない場合でなければ解除できません。
 これは民法上における諾成契約の拘束力にあたるものですが、マルチ商法やキャッチセールスなど、消費者が通常の判断ができないような状態にしたうえで、強引に売買契約を締結するという悪質な事件が多発して社会問題化したため、消費者の保護という目的のために昭和55年に取り入れられたのがクーリングオフ制度です。
 内容としては、購入者の意思表示が不安定な状態で行なわれた契約の申込みに対して、一定期間のあいだであれば無条件に白紙撤回できるというものですが、この制度は不動産の売買においても有効です。むしろ、不動産という高額商品を扱うからこそ、売り手にはよりいっそう厳しい制限がかけられています。


2.売主制限として課せられている
 不動産売却については、民法や借地借家法、都市計画法や建築基準法など、多くの法律が絡んでおり、その売買には高度な専門知識が必要です。
 そのため、不動産を売買するのは一般人というよりも、専門業者であることがほとんどです。ここでいう専門業者とは、ディベロッパーや不動産の仲介業者といったものが該当しますが、これらを含む業者は、宅地建物取引業者として国から登録を受ける必要があります。

 これは宅地建物取引業法、略して宅建業法と呼ばれる法律で定められており、違反すれば登録取消などの厳しい罰則を受けますが、この宅建業法のなかに、クーリングオフ制度に関する制限も厳密に定められています。

 不動産業界においても、原野商法や旅行招待販売といった、なかば強引に宅地建物を売りつけるという問題が発生したことを受けて、この制限が設けられるに至りました。


3.不動産売却独自の規定について
 宅地建物取引業者は、自ら売主として、宅地建物取引業者でない一般の買主に対して不動産の買受けの申込みや売買契約を締結する場合、原則としてその相手方は撤回や解除が可能です。

 ただし、無制限に可能なわけではなく、適用除外となるケースもありますが、それは「不動産売却買受けの申込みや契約の締結をどこで行なったか」が判断基準となります。

 たとえば、宅建業者の事務所やモデルルームといった場所で行なわれた場合は適用除外となり、契約の撤回や解除はできません。
 これは、「消費者が正常な判断ができない状態による売買契約を無効にする」という、本来の考え方に則ったもので、買主が自ら宅建業者の事務所やモデルルームに足を運んで契約している以上、正常な判断ができないとみなすことはできないからです。
 ちなみに、宅建業者が別の業者に売買や仲介を依頼している場合、その業者の事務所であっても適用外です。


4.どうやってクーリングオフするか
 不動産の買受けの申込みや売買契約を撤回、あるいは解除する場合、まずは買い手のほうがその旨の意思表示をする必要があります。

 この意思表示は口頭では効果がなく、必ず書面でもって相手方に通知しなければなりません。そのさいの書面については、特に正式な書式があるわけではありませんが、基本は「契約解除通知書」として、契約年月日や不動産の名称、価格、販売担当者を記載し、口座番号を指定して相手に振り込み返還するよう催促するのが一般的な書式となります。

 ちなみに、買い手が書面を発した時点でクーリングオフの効力が生じるため、たとえ相手方が書面を受け取っていなくても解除されたことになります。
 ただし、確実に書面を郵送したことを証明する必要があることも考慮して、書面を送るさいには、内容証明郵便の手続きを取るのが確実です。

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