相続に関する民法改正のポイントとは?

 2018-09-24   相続 | 民法改正 | 配偶者 | 居住権
 約40年ぶりに改正された民法。今回、大きな注目を集めているもののひとつが相続の分野です。
 ポイントとなるのは、配偶者の居住権と遺産分割、遺言、そして対象者の拡大。私たちの生活を守り、便利さや公平性を向上するための見直しの内容を紹介していきます。


もくじ
1.40年ぶりの民法改正、相続は配偶者の暮らしを守ることから。
2.遺産分割も配偶者保護。手続き時、相続人の便利さと公平性向上。
3.遺言書、財産目録は自筆不要。法務局での保管も可能に。
4.介護・看護、法定相続人以外の親族も遺産を請求できるように。


1.40年ぶりの民法改正、相続は配偶者の暮らしを守ることから。
 民法が、1980年以来約40年ぶりに改正されました。今回の見直しで特に注目されている相続の分野について、そのポイントを紹介していきます。
 まず、最初に注目されるのが配偶者居住権の創設です。これは、亡くなった人が死亡した時点で、その人が所有・居住する住宅に同居していた配偶者が、特別な対価を支払うことなしにそのまま住み続けることができる権利です。
 引き続き居住が可能な期間については、原則として遺産分割が確定するまでの間、あるいは一生に渡ってと2通りの制度が設けられています。
 前者を「配偶者短期居住権」、後者を「配偶者(長期)居住権」といい、目的や取り扱いの詳細はそれぞれ異なりますが、どちらも残された配偶者の生活を保護することを目的とした人に優しい制度です。


2.遺産分割も配偶者保護。手続き時、相続人の便利さと公平性向上。
 配偶者居住権は、夫または妻に先立たれた配偶者の暮らしを守るために新設された制度ですが、遺産分割においても配偶者のその後の生活の保障を目的とする変更がありました。
 具体的には、亡くなった人からの生前贈与について、配偶者が居住するための住宅とその敷地については遺産分割の計算の対象から外すというものです。遺産分割に関しては、この他にも分割前に預貯金の仮払いを認める制度が設けられたり、これまで実務では認められていた一部分割も明文化されました。
 これらは、どちらも相続人の便宜を図ることを目的とした改正です。また、公平性を確保する観点から、既に処分が済んでしまっている財産を遺産分割時に存在するものとみなして取り扱うことも可能となりました。このように遺産分割については、さまざまな視点からの見直しが行われています。


3.遺言書、財産目録は自筆不要。法務局での保管も可能に。
 今回の民法改正では、遺言に関する変更もありました。遺言書の方式については法律上数多くの取り決めがあり、これによってその効力の有効性が確保されてきました。
 しかし、その反面で一部のルールはあまりに厳格であったり、保管の方法には困難が伴ったりと、遺言書の円滑かつ確実な利用の妨げとなっていたことも否定できません。
 これらの問題を解消するために、今回2つの大きな見直しがありました。まず、これまですべて自筆であることが義務付けられていた自筆証書遺言について、添付する財産目録に関しては自筆が不要となりました。
 このため、今後はワープロで作成した文章や預金通帳のコピーなどを利用することができるようになります。そして、基本的に自宅で保管するか弁護士に預けるしか方法がなかった自筆証書遺言を、法務局で保管してもらえる制度も新設されました。


4.介護・看護、法定相続人以外の親族も遺産を請求できるように。
 さて、最後に今回大きく注目されている点のひとつに、相続対象者の範囲の拡大があります。民法上では、対象の範囲は亡くなった人の配偶者・子・親・兄弟姉妹などの法定相続人と定められています。
 ただし、実際の社会の中では、子の配偶者など対象には該当しない親族が、介護や看病を中心的に行っているケースも数多く存在します。ところが、従来は特に遺言がない限り、亡くなった後にそれらの人たちが介護・看護等の金銭的な見返りを求めることはできませんでした。
 これについて、何らかの手当てが必要ではないかということで設けられたのが、介護・看病などに貢献した親族が財産の分与を求めることができる権利です。この40年、私たちの生活や日本の社会構造は大きく変化しました。
 今回の民法改正では、そんな時代や社会のニーズに合った見直しを数多く見つけることができます。

Copyright 2013-2018 不動産を査定する.jp