交換特例が適用される同種の固定資産って何?

 2014-12-18   不動産 | 土地 | 等価交換 | 譲渡 | 交換特例
★土地と建物の交換には交換特例が適用されない
 「交換特例」は、交換譲渡資産と交換取得資産が、同種の固定資産どうしの交換でなければ認められません。つまり、土地と土地の交換、建物と建物の交換、とういうように同一種類の資産を交換した場合でなければ適用されないので、土地と建物との交換では、交換特例は適用されない訳です。

【事例】
・甲さんは土地Aを保有
・乙さんは土地Bと建物Cを保有
・甲さんと乙さんは上記を等価交換したいと考えており、金銭による差金の授受は行いません。
<パターン1>
 土地Aの時価が1億円、土地Bの時価が9,000万円、建物Cの時価が1,000万円の場合。
<パターン2>
土地Aの時価が1億円、土地Bの時価が7,000万円、建物Cの時価が3,000万円の場合。

 それでは、上記の事例のように、甲さんが所有する土地Aと乙さんが所有する土地Bおよび建物Cと交換することとした場合、お互いの時価が1億円ということで、金銭による差金の授受をしなければ、「交換特例」は適用できるのでしょうか?
 交換譲渡資産が土地であれば、交換取得資産も土地でなければ、交換特例は適用できません。したがって、土地と土地付き建物との交換の場合には、建物は交換差益として交換特例の適用を判断することになります。
<パターン1の場合>
 交換差金1,000万円(C建物)≦「1億円(A土地)×0.2=2,000万円」
 ∴交換特例の適用あり
<パターン2の場合>
 交換差金3,000万円(C建物)> 「1億円(A土地)×0.2=2,000万円」
 ∴交換特例の適用なし
 甲さん、乙さんとも、1億円で不動産を譲渡したとして、譲渡税を計算することになります。

【土地は交換とし、建物は売買とした場合】
・甲さんの土地Aは時価7,000万円
・乙さんの土地Bは時価7,000万円、建物Cは時価3,000万円の場合

土地Aと土地Bの時価が7,000万円ずつの等価であるとして、差金の授受は行われずに等価交換とし、建物Cは乙さんから甲さんへ3,000万円で売却した場合の交換特例の適用はどうなるのでしょうか?
 この場合は、「同種類の一の資産である土地の一部は交換とし、一部を売買とする」というケースとは異なり、あくまでも交換特例の適用は、交換をした土地どうしで適用があるか否かを判断するので、土地Aと土地Bとの交換が交換特例の適用要件を満たしているのであれば、交換特例が適用できます(乙さんは甲さんへC建物を3,000万円で売却しているので、この建物の売却については、通常の譲渡税の計算となります)。

 なお、実務的には、土地の価値と建物の価値を合理的に区分するのはきわめて難しく、その区分の仕方によっては、交換差金の20%の問題が生じて交換特例が適用できなくなるケースが生じますので注意が必要です。

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