不動産仲介会社の売物件の販売活動は会社ごとに違う?

 2015-04-15   不動産会社 | 査定 | 選択 | 媒介契約 | コツ
 現在、お持ちのマンションなどを販売する際にどの不動産会社と媒介契約しようかと迷われている方は、よければ、参考にしていただければと思います。
 媒介契約する不動産会社を選ぶときのコツとは?最初に、良心的な信用、信頼ができる不動産仲介会社の販売活動、つまり教科書的な活動はどういった行動かを紹介します。

1、売主から頂いた物件情報を、自社の買主だけに斡旋するような行為をしない。他の全ての不動産会社にも公開、共有します。
 大手から、中堅、地元の地域密着の不動産会社にも販売活動をしてもらうためで、窓口を広げて、多くの人に見てもらい、少しでも早く、買主を見つける為です。

2、自社のホームページだけに物件情報を掲載するのではなく、大手から中小まで同業者のホームページにも掲載してもらうだけでなく、不動産のポータルサイトにも掲載してもらえるように働きかけます。
 また、新聞の折り込みチラシや、ポスティングなど、チラシの配布を行い、オープンルームなどの情報の公開を色々な会社に向けて依頼、発信します。

3、上記の販売活動を通じて、多くのメディア露出を経て、物件の情報を買主候補者に伝わるようにします。

4、不動産会社は仲介手数料を売主だけから、貰うようにできている。買主からももらうような両手仲介や、売主に対しては、「仲介手数料無料」といったような、契約をしていない会社と媒介契約しよう。買主側からも貰っている場合は、そちらからの利益が重要になるので、物件の売却金額が低くなる可能性や、情報公開をしないので、契約までに時間を要してしまうので注意。「仲介手数料無料」は決してそういう意味で考えると、安くありません。損するケースの方が圧倒的です。


 販売活動をする上で、不動産の大手ポータルサイトであるスーモ(SUMO)に物件が掲載されていないことが分かれば、スーモに物件の掲載枠を持っている他の仲介会社に連絡をして、掲載してもらうように訴えかけます。
 もし、スーモを見た人が、この物件と契約するようになれば、その会社に買主から仲介手数料が支払われることになり、売主と契約している仲介会社には、手数料は支払われません。また、地元の不動産会社が、新聞の折り込みチラシや、ポスティング活動を行って、そこから、契約が発生した場合の反響は、地元の不動産会社に行くようになっています。
 通常、不動産会社は、他の不動産会社に対して、積極的に、広告の依頼をすることはありません。一旦、売主から専任媒介契約で物件を預かると、極力、自社で買い手を見つけて、仲介手数料を売主からだけではなく、買主からも貰う両手仲介を希望するもので、広告を他社に依頼するという事は、余りない傾向になってきています。
 ただし、良心的な真面目な不動産会社、つまりは、売主の希望に沿う形で販売活動をしてくれる不動産会社は、「売却物件の広告を最も多くするために、少しでも多くの不動産会社に、広告活動、販促活動を依頼します。」こういった事を常に心がけています。
 売主さんとしては、担当者の真面目さも重要ですが、不動産会社選びに関しては、しっかりと、査定のタイミングで査定金額の論拠の確認も、もちろん重要ですが、同様にどういった販売活動を行ってくれるのか?他の不動産会社に情報を共有してくれるのか?また、インターネット上で、その不動産会社だけでなく、大手のポータルサイトに掲載してくれるのか?また、その販売広告活動の想定のスケジュールをしっかり出してくれるような不動産会社を選択されることを推奨します。
 また、嘘をつく会社もあるとは思いますが、仲介手数料を自分、つまり売主からだけもらうのではなく、買主からもらおうとしていないか?または、仲介手数料を無料にするなど、買主サイドにいるような不動産会社ではないかなども、聞けるようであれば、聞いてみた方がよろしいでしょう。

 事例を上げます。不動産の売却活動中に、興味を持った買主候補に対して、実際に物件に足を運んでもらい、内見してもらうオープンルームをすることが重要ですが、そもそも、オープンルームを実施していることを認知してもらう事は重要なのですが、不動産会社の半数は、余り、喜びません。
 オープンルーム自体は、販促活動の中では、かなり重要なアクションですが、オープンルームの実施自体を認知させるためには、新聞の折り込み広告や、チラシのポスティングなどを行う必要があります。
 オープンルームは1社では、コストが大きすぎるので何度も打つことが出来ませんが、複数社で行ってもらう分には、数回は実施することが出来ます。もし、こういった手法を提案してきて、確実な日程を挙げることは、できないまでも、他社に依頼するスケジューリングにまで入れていてくれていれば、かなり良心的なパートナーと言えるかもしれません。
 また、契約する不動産会社はしっかりしたチェック機能を果たしているかの確認も販売活動中に留意して見ていく必要があります。
 他社に販促活動、広告活動を依頼していただけることは非常に良い事なのですが、では、実際にどういった活動を他社が行っているのかを定期報告で教えてくれる、一番良いのは、そのチラシを見せてもらえたら、最高です。
 チラシを持っているという事は、実際に係れている内容に、虚偽が無いかの確認ができます。ひどいケースでは、売買契約を成立させたいという理由で、チラシに虚偽の金額を媒介契約を結んでいる不動産会社の許可なく、配布する事例もありました。
 安い金額が記載されていれば、他の不動産会社経由で購入を検討していた買主までも、そちらの情報にひっかかり、本来、売りたい金額よりも低い金額での交渉になってしまう事も少なくありません。
 売主からすれば、特に初めての売主には、もちろん、少しでも高い金額で売却したいという大前提はありますが、販売活動中は、1件の問い合わせも来ないとか、月日が少しでも経過すると大いに不安になり、安易に少々安い金額でも、仕方ないと妥協してしまうものです
 しかしながら、そういった上述の通り、勝手に媒介契約している不動産会社の先にいる不動産会社が、虚偽の広告を出しても、誰も気づかず、その安い金額から交渉が始まってしまし、更に安い金額に落ち着いてしまうという、事がありますので、しっかり、媒介契約した先にある不動産会社の販売活動、広告活動、販促活動をしっかり把握して、チラシなどを1部持っているような会社は安心と言えます。
 もし、媒介契約してから、3か月程度経過しても焦ってはいけません。もし、査定時の担当者の会話で、これだけの問い合わせが期待できるという話をしていても、販促活動や広告活動の進捗報告で、実際にチラシの内容を持ってきてくれるような所であれば、しばらく任せておいてもよいでしょう。
 値段を下げるのは最終段階です。あらゆる販売ツール、チャネルに広告を打っていることを情報共有してもらい、その上で、数か月、買主候補からのアプローチが少ない、内見に来る人は安定的にあるけど、決まらないといった事態になって、初めて、販売価格の見直しがあると考えてください。
 実際、過去の事例では、他の不動産会社が出した査定価格よりも、1割2割高い金額で成約した事例もあります。
 広告の打ち出し方や、不動産会社の販売に関するスタンスの持ち方などで、十分、高く売れる可能性があるという事の証明だと思います。
 そもそも、売主さんが最終的に決める販売価格は、その時の時価、相場に、少しでも高く売りたいといった意思が込められているものでしょう。
 しかし、買主は少しでも安い金額で購入、成約したいというのが人情でしょうが、その買主の価値観は様々で、不動産会社の経験値に収まらないことも少なくありません。どういう事かと言うと、買主の購入したい動機、価値観によって、あなたのお持ちの物件の評価以上の評価を与えてくれることがあります。

 これらは、確率の問題です。下手な野球選手でも、10回しか打席に立てないバッターよりも、100回打席に立ったバッターの方が絶対に、ヒットやホームランを打つ確率は高くなります。どれだけ数多く打席立てるかが重要です。不動産の販売も同じです。
 不動産会社がどれだけ、お持ちの物件をたくさんのチャネルにアプローチしてくれるのか、また、それらを管理していてくれるか、報告してくれるかで大きく変わってきます。
 高く売るには、少しでも早く成約させるかは、媒介契約をする不動産会社にかかっています。また、その不動産会社を選択するのは、売主です。
 不動産会社のスタンス、スケジュールなどをしっかり把握して、安心した不動産の売却ができるように、このコラムを参考になれば、幸いです。

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